【新潟新馬戦】コワ~イ夏はボウズダヌキを“要”買い

[ 2012年7月24日 06:00 ]

【新潟新馬戦】28日の新潟6Rでデビュー予定のデルマボウズダヌキ

 日本の夏、妖怪馬の夏。コワ~イ妖怪の名が付いた2歳馬が今週、デビューする。土曜新潟6R(ダート1200メートル)に出走予定の、その名もデルマボウズダヌキ(牝=石栗、父トワイニング)。妖怪馬はまだまだおり、8月の札幌にはデルマカマイタチ、さらにはヤマンバ、コナキジジなどがスタンバイ。競馬ファンを震え上がらせようと手ぐすね引いている。

 徳島県美馬(みま)郡には世にも奇妙な伝承が残っている。日が落ちてから、この地の半田川に架かる橋を渡った村人は、化け狸(タヌキ)に髪の毛を残らずそり落とされてしまったという。村人はこの橋を坊主橋、化け狸を坊主狸と呼んで恐れた。漫画家・水木しげる氏も画材とした四国の代表的な妖怪である。

 デルマボウズダヌキはこの化け狸にあやかって命名された。石栗師は「牡馬みたいな名前だが、実は牝馬なんだ。化けてばかりいて性別さえ分からない妖怪だから、牝馬に付けても全く問題ないんだろう」と笑う。怪しげな馬名とは裏腹に!?調整は至って順調。6月中旬に美浦入厩。坂路と南Dコース(ダート)を併用して入念に仕上げてきた。追い切りでは目立った時計を出していないが、師は意に介していない。「狸のような性格!?いやいや、とても素直。走法から芝よりダートでスピードを生かすタイプ。息さえできていれば、実戦で化けるかもよ~」と語りながら、自らの腹をポンと叩いた。

 ボウズダヌキの妖気が呼び寄せたのか、13日朝の美浦では珍事が起きた。同馬が調教を終えたばかりの南馬場に狸の群れが突然姿を現したのだ。騎乗中に目撃した田中勝は「母狸が5匹の子狸を連れてコースの脇を歩いていた」と証言する。大江原師は「昔は狸もよく見かけたが、最近は話も聞かない。どこから来たんだろう?」と不思議そうに首をひねった。

 徳島県の美馬ばかりか、美浦でも妖気を漂わす坊主狸。レースを観戦する際は、くれぐれも髪の毛をそり落とされないよう、ご用心。ああ、怖い。

続きを表示

2012年7月24日のニュース