【七夕賞】身だしなみバッチリ!!復活へ爪研ぐエクス

[ 2012年7月4日 06:00 ]

<七夕賞>得意の夏レースで重賞初制覇を狙うエクスペディション

 サマー2000シリーズ開幕戦「七夕賞」(福島)で復活を期すのが関西馬エクスペディション。7、8月は5戦4勝、2着1回と夏が大好き。爪の不安も癒え、万全のコンディションで重賞初制覇にチャレンジする。

 夏の訪れとともにエクスペディションが復活の時を迎えようとしている。昨夏に条件戦を3連勝。2着に付けた着差の合計が13馬身と圧勝続きだった。しかし、一息入れて挑んだ冬の重賞3戦は4、5、10着。上位人気をことごとく裏切った。オープンの壁なのか。担当の和田助手は真っ向から否定し、明確な敗因を口にした。

 「一番大きかったのは蟻洞(ぎどう、爪の病気)。以前からそういう面はあった。(調教で)柔らかいチップの上では問題なかったが、芝では気になったのだと思う。小倉大賞典(10着)後にはソエ(若駒特有の管骨の痛み)も出た。いろいろ重なって、走れなかったのだろう」。蟻洞とは蹄壁の外側の硬い部分が蹄本体から部分的に剥がれる状態のこと。アスリートで言えばスパイクが壊れたようなもので、力を出し切ることは不可能だ。

 そこで前走後は宮城県山元トレセンに放牧。1カ月で1センチとされる爪の伸びを待った。帰厩は5月25日。以降は七夕賞を目標に乗り込んだ。「早めに休ませて正解。いい感じだよ。太め残りもなさそう。不安点はないね」。爪も無事、生えそろった。

 強調材料がもう一つ。この時季にめっぽう強い“夏馬”ということだ。過去5勝中4勝が7、8月。同助手の見解はこうだ。「調教中のしぐさやキャンターに向かう雰囲気に、元気の良さが見える。夏場の方が調教を重ねても、へこたれないね」

 爪が治り、夏を迎え、好走条件は整った。「デビューした頃から重賞は獲れると思っていた」と同助手。馬名の意味は「遠征」。小倉で4勝の遠征巧者だけに、初めてのみちのく遠征でも期待が膨らむ。

 ▽蟻洞 蹄壁が分離して空洞が生じる蹄の病気。蹄壁の乾燥や外傷などが原因とされ、跛行(はこう)を引き起こす。特効薬はなく、蹄壁を剥がして患部を空気にさらしたり、抗生物質を塗って新しい蹄壁が伸びてくるのを待つしかない。デルタブルース、シルクフェイマス、ダイタクバートラム、プリモディーネ、マイネルキッツ、ブエナビスタなどが現役時に発症した。

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2012年7月4日のニュース