【共同通信社杯】五輪代表候補の渡辺が初ビッグ!!

[ 2012年5月1日 06:00 ]

<共同通信社杯>優勝を決めてガッツポーズをする渡辺

 G2「第28回共同通信社杯」の決勝戦が30日、名古屋競輪場で行われた。レースは脇本雄太が残り2周半で落車するアクシデントがあり、北日本勢ペース。佐藤友和の逃げに乗った渡辺一成(28=福島・88期)が番手まくりで優勝、賞金2090万円を獲得した。渡辺のビッグレース(G2以上)優勝は初めて。渡辺は、1日に発表されるロンドン五輪・自転車競技日本代表候補となっている。

 初日に武田豊樹、2日目に深谷知広と大駒が相次いで落車欠場する大波乱のシリーズ。この流れは決勝まで続いた。前攻めを選択した脇本が青板2コーナーで誘導員と接触して落車、失格。このアクシデントが北日本勢の追い風となった。目標をなくした稲垣を佐藤が赤板で叩く。グングン加速して一本棒に持ち込むと、最終2コーナーすぎに渡辺が番手まくり。自慢のスピードでビッグ初Vアーチを描いた。

 優勝会見。まず渡辺は「決勝の舞台でアクシデントを起こしてしまったことを選手を代表しておわびします」と選手会の一員として、迷惑をかけたファンに対して一礼した。もちろんビッグ初制覇に関しては「凄くうれしいです」が本音。そこからは和やかムードで会見は進んだ。

 「(佐藤)友和さん、(成田)和也さんに感謝です。本当に心強かった。自分も最大限のアピールはしたつもり。自信を持って代表発表に臨みたい」

 1日、ロンドン五輪の代表が発表される。その直前にタイトル獲得でハクを付けたことは、この上ないアピールだ。「(代表に選ばれたら)地元・福島の思いを背負って頑張りたい」と語る。出身地の福島県双葉町には福島第1原発(5、6号機)があり、渡辺自身も東日本大震災の被災者だ。自分が先頭に立って復興のシンボルにならなければ…。そんな思いがこの1年の原動力となっていた。

 今夏はロンドンの舞台で輝こうとしている渡辺。全力の走りで故郷に勇気を届けたい。

 ◆渡辺 一成(わたなべ・かずなり)1983年(昭58)8月12日、福島県双葉町生まれの28歳。県立小高工高卒。03年7月プロデビュー。通算成績は532戦154勝、2着95回、3着52回。通算取得賞金は2億3110万円。1メートル76、80キロ。血液型A。

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2012年5月1日のニュース