【大阪杯】マイティ最後方から11頭ごぼう抜きV!!

[ 2012年4月2日 06:00 ]

<大阪杯>殊勲の浜中は晴れやかな表情

 強豪古馬が集結した「第56回大阪杯」は最後方追走の6番人気ショウナンマイティが、大外一気の末脚でG1馬3頭を一網打尽。悲願の重賞初制覇を飾り、夢のG1制覇に一歩前進した。

 覚悟を決めていた。ショウナンマイティの浜中は「腹をくくって」最後方を追走した。1000メートル通過が65秒2の超スローペースでも動じない。この馬の最大の持ち味である瞬発力を信じていた。

 脚をためにためて直線へ。迷わず大外に出すと必死で追いまくった。1頭だけ搭載したエンジンが違うような、異次元の伸び。先頭に立ち、勝利を確信した瞬間、浜中は右手で派手にガッツポーズ。気持ちがあふれた。「この馬には特別な思い入れがあった。もっと早く重賞を勝てる力はあった。持ち味を出せれば絶対に通用すると思っていた」

 パートナーに贈る初タイトル。デビュー当初から素質を高く評価しつつも春のクラシックの舞台に進むことができなかった。「自分を責めるような日々もあった」と鞍上は振り返る。今回は昨年8月のポプラS(1着)以来のコンビ。並々ならぬ意気込みで臨んだ。

 2週連続で追い切りにまたがった。以前より乗りやすくなったことを確認した。「競馬で引っ掛かることは、まずない」。馬を信じて臨んだ。遅い流れを感じさせぬほど折り合った。まさに有言実行の勝利だった。

 「騎手が腹をくくって乗ってくれた」と梅田智師も鞍上を称えた。これが厩舎にとっても重賞初制覇。「この馬で勝てなかったら…という思いがあったし、出来も良かった。元気がありすぎて心配だったほど。これまでの悔しさを晴らしてくれた」と喜びを語った。

 注目の今後については「2~3日厩舎で様子を見つつ、もう少し考えたい」と指揮官は説明。正式決定ではないが、天皇賞・春には使わず、宝塚記念(6月24日、阪神)を目標に調整される見通しだ。4歳にして大輪を咲かそうとしている切れ者から今後も目が離せない。

 ◆ショウナンマイティ 父マンハッタンカフェ 母ラグジャリー(母の父ストームキャット) 牡4歳 栗東・梅田智厩舎所属 馬主・国本哲秀氏 生産者・北海道新ひだか町矢野牧場 戦績12戦4勝 総獲得賞金1億5083万9000円。

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