「安楽死も覚悟」…奇跡の復活目指すセレン

[ 2011年12月30日 06:00 ]

復帰を目指して調教試験に出走したセレン

 【地方競馬です!!】南関東屈指の強豪セレン(牡6=船橋・佐藤賢)が帰ってきた。1年前、2度目の東京大賞典挑戦に向けた追い切りでトモ(後肢)を故障。長期休養を経て、27日の船橋調教試験に無事合格した。「よく戻ってきてくれたね」と笑顔の佐藤賢師。「上の方でエックス線写真も撮れない場所だったが骨ではなく、どこか筋をおかしくしたのか、一時は安楽死も覚悟した」と当時を振り返る。今月初旬の帰厩前は北海道浦河のBTC、No・9ホーストレーニングメソドで調整されてきた。

 師同様、いや、それ以上とも言える笑顔で「おはよう、セレン!」と声を掛けたのが山口圭子オーナーだ。休養中に何度も会い行ったが、競馬場で走るのを見るのは昨年秋以来。「思っていたより早く帰ってくることができました。奇跡みたいなもの」と感慨深げ。同馬は3歳後半にも化骨具合や右飛節の不安などで休養。その後、飛躍して重賞4勝、09年東京大賞典4着の実績を残した。山口オーナーは「最初から焦らず馬任せでいいと思っていました。3歳時はいい休養になって成長。今回も休みがいい方向に出てくれれば…」と願いを込める。

 調試ではラストいっぱい。とはいえ、「まだまだ重いね」と言う師の表情は柔らかい。「様子を見ながら、じっくりやっていく」。復帰戦は未定だが、その日が待ち遠しい。 (池田 裕文)

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2011年12月30日のニュース