【JCダート】トランセンド連覇で“タイ獲る”

[ 2011年11月29日 06:00 ]

<JCダート>エスポワールシチーとの「2強対決」を制し連覇を狙うトランセンド

 負けられない一戦だ。JCダートはここ2年の勝ち馬の一騎打ちムード。昨年Vのトランセンドが一昨年の覇者エスポワールシチーを迎え撃ち、レース史上初の連覇を目指す。勝てばフェブラリーS、南部杯に続き今年、中央ダートG1・3勝目。JRA賞最優秀ダート馬へ大きく前進する。一方、G1恒例「データBOX」はエスポワールシチーをイチ押しした。

 トランセンドは昨年のJCダートで頂点に立って以降、今年に入ってフェブラリーS、南部杯とダートG1勝ちを積み上げてきた。その間にドバイワールドC2着もある。これだけの活躍をしてなお今年の「JRA賞最優秀ダート馬」のタイトルが確定的と言えないのは、前走のJBCクラシックで後じんを拝したスマートファルコンがいるからだ。

 「前走は大井を得意にしている馬と、初めての馬の差が出たね。3、4角でピュッと離されたから。場所を替えて、阪神でリベンジしたかった」。全休日の月曜朝、厩舎に顔を見せた安田師は、大一番での宿敵不在に残念そうな表情を見せた。ただ、それは同時に“絶対に負けられない一戦”になったことを意味する。

 「今回がダート日本一を決めるにふさわしいレースで、最高の舞台。トランセンドは昨年のこのレースを勝ってチャンピオンに君臨しているし、来年のドバイに向けて取りこぼせない一戦。これを勝てば最優秀ダート馬のタイトルも確実でしょう」

 年内はこれが最後のレース。仕上げも全力投球だ。前走のレースから2週間たったばかりの16日には、坂路で4F52秒2を馬なりでマーク。そして23日の1週前追い切りで、ポリトラックコース6F75秒2の1番時計を出した。安田師はJBCクラシック前、レース後に反動が出ないか相当に心配したと言うが、全く問題はなかった。

 「JBCを使うのは怖かったが疲れは何もないね。過保護にしなくて良かった。先週の追い切り後、乗り役も“想像以上に時計が速い”と言っていた。レースには前走と同じく520キロ台で出せると思う」と指揮官。愛馬への信頼感は一戦ごとに強まるばかり。2強を形成するライバルのエスポワールシチーを過剰に意識することもない。

 「トウショウフリーク、エスポワールシチー、そしてトランセンド。展開は厳しくなる。でも前走、前々走と控える競馬で伸びてきているからね」。どのポジションからでも自分の競馬はできる。最後の最後で先頭に立っていればいい。

 ▽昨年のJCダート 3番枠から1番人気のトランセンドがハナへ。平均ペースながら向正面からずっとバーディバーディに絡まれ、楽な展開ではなかった。それでも、先頭をキープしたまま直線へ。食い下がるバーディバーディを残り100メートルで振り切り、外を勢い良く追い込んだグロリアスノアを首差しのいで、初のG1タイトルを獲得した。

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2011年11月29日のニュース