【エ女王杯】アパパネ猛デモ!極上切れ味11秒7

[ 2011年11月10日 06:00 ]

<エリザベス女王杯>Cウッド、アパパネは併せて追い切られ先着する

 全冠制覇へ、日本の女王が快走!「第36回エリザベス女王杯」の最終追いで、史上初の牝馬限定G1完全制覇が懸かるアパパネはパートナーを4馬身ちぎる猛デモ。これまで通り休み明けを叩いてきっちり一変。歴史的快挙達成への期待が膨らんでいく。

 さすがはG1・5勝の金看板。栗東滞在中のアパパネは福田助手を背にCWコースを快走した。前を行くマナクーラ(5歳準オープン)を3馬身追走して内に進路を取った直線。1F標識手前で一気に抜き去ると、4馬身ぶっちぎってのゴール。ラスト1Fは11秒7と極上の切れ味だ。

 本来の輝きを取り戻した愛馬の快走に、美浦から駆けつけた国枝師の表情も穏やかだ。「凄くいい感じだったね。リズム良く走っていたし、しまいも伸びてくれた。追い切り自体は本当に良かったと思う」

 秋初戦の府中牝馬Sはまさかの14着大敗だった。デビュー以来、最高体重の502キロ。好調時でもなぜか休み明けは苦戦する特異なキャラで、敗因ははっきりしないが陣営は最善を尽くしてきた。栗東入り後は午前7時の開門直後ではなく、気温が上がる9時すぎに運動。最終追いも距離の短い坂路ではなくCWコースを選んだ。運動量を多くし、たくさん汗をかかせて一変を狙った。

 指揮官は「前走はいい感じで競馬はできたが、これからという時の動きが重かった。結果的に休み明けは走らないのか。攻め馬だけでは仕上がりきらない面もある。1回使って体もすっきりしてきたし、動ける態勢になったと思う」と着実な変わり身を感じている。

 「昨年(3着)は、勝った秋華賞が目いっぱいという感じがしていた。今年はここが一番の目標なので」と国枝師。上半期のヴィクトリアマイルでブエナビスタを一蹴し、史上初となる牝馬限定G1完全制覇の偉業に王手をかけたアパパネにとって、このタイトルはどうしても譲れない。

 「外国馬もいて今年もレベルは高いし、厳しいレースになると思うが、昨年も頑張ってくれている。いい形で出せるし、できればタイトルを獲りたい」。思惑通りの形で蛯名にバトンを渡す国枝師は、ここ一番にめっぽう強いアパパネの生命力に託していた。

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2011年11月10日のニュース