【スプリンターズS】佐藤&ガルダンに野心あり!

[ 2011年9月30日 06:00 ]

<スプリンターズS>順調な仕上がりを見せるビービーガルダン

 29日、第45回スプリンターズSの出走馬が確定した。史上最強の呼び声が高い強力遠征馬を日本馬が迎え撃つ図式。ロケットマンVS安田厩舎3頭に注目が集まるが、ビービーガルダン(牡7=領家)が見逃せない好気配。佐藤哲三(41)が普段の調教からまたがって心血を注ぎ、悲願のG1獲りに向けて視界は良好だ。

 佐藤哲三はこれまで幾多の名馬を育てあげてきた。追い切りだけでなく普段の調教にも日々またがって教え込む。時間をかけて教え育てて、かつてはタップダンスシチー、近年ならアーネストリーやエスポワールシチーといったG1馬の能力を開花させている。

 「しっかり馬をつくる。そのやり方がうまくいっているんだろうね」と佐藤は淡々と語っており、ジョッキーでありながら当代きっての“馬づくり職人”の一面も持ち合わせている。

 そして、スプリンターズSに出走するビービーガルダンもまた心血を注いできた1頭だ。昨年後半は低迷していたこの馬と今年の高松宮記念からコンビ結成。「(調教に)3回くらい乗って変わってきているというのがあった」と手応えをつかんだ。安田記念後はここを最大目標に設定。前走のキーンランドCは斤量58キロを背負いながら2着と収穫ある内容だった。「普段の雰囲気が以前とは全然違うよ。勝てるように仕上げてきたつもり」とG1獲りをはっきり意識している。まさに佐藤の面目躍如だ。「この馬にとっては年齢的にもG1を獲るための最後のチャンスになるかもしれない」と気を引き締める。

 ガルダンの出来も文句なしなら、佐藤の熟練した手綱さばきも近況さえ渡っている。先週日曜には中山10~12Rで3連勝。オールカマーのアーネストリーは完勝だった。6月19日の新馬戦をダローネガで勝って以来、ここまで15週連続で勝ち星を挙げている。好調を証明するこの記録について、「いい馬に乗せてもらっているからね」と話し、こだわりはないものの、モチベーションになるという。

 「続いているから今週も勝ちたいなとは思う。意識しているのは、その馬をイメージする競馬より3馬身前に走らせること。勝負したら負けないと思ってやっている」

 この人らしい勝負に対するアツイこだわり。相手がどんなに強かろうと、いや強ければこそ、佐藤&ガルダンに野心あり…だ。

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