61年の歴史に幕…観音寺競輪、今年度で廃止へ

[ 2011年9月29日 06:00 ]

 観音寺競輪(香川県観音寺市)が今年度末での廃止へ向けて協議を進めていることが28日、明らかになった。27日に観音寺市議会で「競輪事業の本場開催からの撤退を求める決議案」を賛成多数により可決。これを受けて白川晴司市長も議決を尊重する意向を示した。

 観音寺競輪は長引く景気の低迷で売り上げ減に悩まされ、05年度には赤字決算に陥った。そのため、07年度には事業収支改善5カ年計画をまとめ、経費削減や開催日数の短縮などに着手。関係団体には交付金支払い延期を求めてきた。だが、5カ年計画が終了する今年度に入っても依然改善のメドが立たず、来年以降は老巧化したメーンスタンドや走路の補修に多額の費用がかかるため、市議会に廃止を求める動きが加速していた。今後は同市長が廃止を正式表明するとみられる。1950年から61年続いた四国の伝統ある競輪場は来年3月いっぱいで廃止される見通しとなった。

 ▽観音寺(かんおんじ)競輪 1950年に開設。97、98、07年に「ふるさとダービー」、04年に「西王座戦」を開催した。香川県の西端に位置し、有明浜の白砂に描かれた巨大な「寛永通宝」の砂絵でも有名な地。

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2011年9月29日のニュース