【新潟記念】クリスタル、コース替わり大歓迎

[ 2011年8月23日 06:00 ]

<新潟記念>連覇を狙うナリタクリスタル

 連覇に向けて一変モードだ。サマー2000シリーズ最終戦「第47回新潟記念」は、昨年の覇者ナリタクリスタルに買い材料が満載。ちょっとのことでレースをやめてしまう気難しい馬だが、のびのび走れる新潟へのコース替わりは大歓迎。1週前追いで闘志を注入し万全の態勢で臨む。

 連覇への鍵は“やる気”に尽きる。ナリタクリスタルは希代の癖馬。重賞で強い競馬を見せたかと思いきや、次のレースでは見せ場なく惨敗…。木原師は「気の向かないことがあったり、ブレーキをかけるシーンがあると、そこでやめてしまうからね」と頭を抱える。しかしながら、そういうタイプだからこそ新潟へのコース替わりは他馬以上にプラス材料だ。

 「新潟だとエンジンの掛かりが遅れても取り返しがつくし、広々としたコースだから競馬がしやすい。前走は直線で前が詰まったけど、そういう可能性も低いからね」

 実際、昨年の新潟記念が高い適性を感じさせる内容だった。3角で早々と手が動き出し、直線でいったんは後退しながら、二枚腰を発揮しての巻き返しV。直線が長いからこそできた芸当だ。

 17日の1週前追いも“やる気”がテーマ。僚馬ゴットコーズウェイ(2歳新馬)を20馬身ほど前に置いてスタートしたCWコースでの併せ馬。徐々にペースアップして背後に忍び寄ると、ラスト1Fで一瞬にしてかわし3馬身突き放してのフィニッシュだ。6F79秒3~1F12秒1の時計が素晴らしいのはもちろんだが、それ以上に中身が良かったと木原師は口にする。「集中力が途切れないように前に馬を置いて最後の最後でつかまえてほしかったんだ。うまくいったね。状態はいいよ」。自ら感触を確かめた主戦・武豊も「動きは良かったし前向きさもあった。これでレースでも走る気になってくれればね」と笑みを浮かべた。

 木原師はこの一番に懸ける並々ならぬ決意を明かす。「この先はともかく、とりあえずここ。秋に向けての試金石と思っている」。秋の大舞台に向け負けられない一戦。大人の走りを見せられれば視界はグッと開ける。

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2011年8月23日のニュース