【エプソムC】帰ってきたハンソデ!心身成長

[ 2011年6月8日 06:00 ]

1年ぶりにターフに戻ってくるハンソデバンド

 春の東京最終週を飾るのは「第28回エプソムC」。逸材ぞろいの4歳の実力馬ハンソデバンドが昨年5月ダービー(16着)以来、約1年ぶりの実戦で鉄砲Vを狙っている。2月の共同通信杯では後のG1馬ダノンシャンティを完封した底力の持ち主。長いブランクを克服して2度目の重賞制覇を飾るようなら、G1再進出の夢が膨らんでくる。

 半袖が必需品となった初夏の美浦に、現4歳屈指の実力馬ハンソデバンドが帰ってきた。昨年2月の共同通信杯で後にNHKマイルCを驚異のレコードで制したダノンシャンティを破って初タイトル。強豪が集結した皐月賞(18着)やダービー(16着)は苦闘が続いたが能力はピカイチだ。

 管理する尾形師も復帰を心待ちにしていた。「放牧先でじん帯をひねってしまったらしく…。1年の休養は大きなハンデになるけど、美浦に戻ってからは今のところ心配なく来ている。慎重に慎重に時間をかけてやってきた。体重は増えているけど成長分もあると思う」

 5月上旬から坂路で時計を出し、既に追い切りは8本消化。先週1日は4F52秒4~1F11秒8とパワフルな伸び。重賞ウイナーの片りんを調教では見せている。出遅れが致命的だったダービーからちょうど1年。精神的にもたくましくなったという。「ダービーの時はテンションが上がってしまって。ゲートの中もガタガタしていた。今回は日数があるせいか落ち着いている。休養が長かった分、正直1戦1戦が勝負と思っている。ただ、使うだけではなく、いつもの休養馬よりは仕上げている。悪いところがなければ印が付く馬だからね」

 母系がアフリートの肌。今後はダート路線も視野に入っているが、まずは走り慣れた芝で結果を、という思惑だ。重賞初制覇を飾った共同通信杯と同じ東京1800メートルが舞台。イタリアから武者修行中のピンナと初コンビを組む。尾形師は「日本で頑張ろうというのだから、それなりの決意を持っているんだと思う。まずは次に期待が持てる結果を出してくれれば。そう願っています」と一度はG1を夢見た愛馬の復活を祈っていた。

 ◆昨年の共同通信杯 ルメール騎乗のアリゼオが1番人気。ハンソデバンドは逃げたカワキタコマンドの2番手で流れに乗る。直線で早めに先頭に立つと驚異的な粘り腰を発揮。背後から迫るダノンシャンティ、アリゼオを封じ込め3着まで鼻、首差の接戦を制した。ダノンシャンティは春にNHKマイルC、アリゼオは秋に3歳で毎日王冠と共に東京コースで重賞V。

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