【JCダート】矢作師“二本の矢”で狙うG1初制覇

[ 2010年12月3日 06:00 ]

運動を前に、気合十分のマカニビスティー(左)と、プール調教を行うグロリアスノア

 ダート王決定戦「第11回JCダート」で、悲願のG1初制覇を狙う矢作芳人師(49)はグロリアスノア、マカニビスティーの2頭出しを敢行する。JCダートの金曜発売はなく4日に前売りされる。

 意外にもG1未勝利。05年開業の矢作厩舎。史上最速で100勝を達成し、昨年は47勝で関西リーディング。だが、なぜか大一番に縁がない。開業1年目の05年朝日杯FS、スーパーホーネットで首差2着だった矢作師は「競馬の神様が“G1はまだ早い”と言ってるんだよ」と悔しさを口にした。しかし、その後も2着5回と惜敗が続く。
 「周りはそろそろG1と言うけれど、そういう気持ちはないよ。いずれは獲れるだろうし、それだけの仕事はしているからね」。力強い口調に己への、そしてスタッフや管理馬への強い自信がにじんだ。JCダートにも二本の矢を送り込む。マカニビスティーはまさに伸び盛り。師は「砂をかぶると極端に嫌がるし、テンにもいけない。それだけに15番枠は良かった。ただし、まだ成長途上」と幼さを認める。その上で「潜在能力は高い。来年以降(砂が飛ばないオールウエザーのある)ドバイに連れて行きたい」と海外遠征を視野。東京ダービーで見せた大外一気の末脚は非凡だ。一方、グロリアスノアは武蔵野Sで重賞2勝目。フェブラリーSは5着だったが「春に比べ腰がパンとしたし、トモ(後肢)の肉付きが良くなった。前走の疲れもなく、中2週でもしっかり追えている」と安藤助手が成長を認めている。
 開業以来、厩舎を支えてきたスーパーホーネットが11月に引退。「あの馬だけは別格だった。ああいう馬が1頭いることで、他の馬にいい影響があったし、スタッフにとっても大きかったから…」。少しだけ寂しげな表情を見せた指揮官に、今こそ勝利の女神がほほ笑むか。

 ◆矢作 芳人(やはぎ・よしと)1961年(昭35)3月20日、東京都生まれの49歳。父・和人師は大井競馬の調教師。厩務員、調教助手を経て05年に厩舎を開業。JRA通算成績は2005戦185勝。スーパーホーネットで重賞4勝(スワンS、京王杯SC、毎日王冠、マイラーズC)など重賞9勝。

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2010年12月3日のニュース