【関屋記念】切れ味抜群!スピリタス坂路52秒8

[ 2010年8月5日 06:00 ]

<関屋記念・追い切り>手応え抜群のまま、坂路を真っ直ぐ駆け上がるスピリタス

 真夏の新潟マイル決戦は実績馬に新興勢力が入り乱れ激戦ムード。関屋記念の最終追いでは、抜群の切れ味を武器に勝ち上がってきたスピリタスが坂路単走で好調をアピールした。昇級初戦でいきなりタイトル奪取を狙う。

 前走時444キロのコンパクトな馬体がゴムまりのように弾んだ。スピリタスの追い切りは開門直後の坂路で単走。最初の1Fを14秒1で入ると、そこからスムーズに加速していく。身のこなしが柔らかく、そして鋭い。軽く仕掛けただけでスッと反応。しなやかなフットワークで最後の2Fは続けて12秒7を刻み、4F52秒8でまとめた。横井助手が笑顔で感触を伝える。
 「けさは凄く走りやすい馬場だった。この馬に乗るときはいつも時計を決めずに、しまいの反応がどうかがポイント。いつも通りの感じで良かった」。約2カ月ぶりの実戦に向けて調整は予定通り。「牧場でも普通に乗ってもらっていたし全く緩んでいません」と横井助手が言うように、しっかり乗り込みを重ねて下地をつくってきた。
 5歳夏にオープン昇級。重賞初参戦とはいえ、既にこのレベルでも大いに注目される存在となっている。デビュー当初からいずれオープンへ、と期待されていた好素材。東京マイルの前走・湘南Sを圧巻の内容で勝ち上がった。上がり3F33秒1の切れ味で先に抜け出したソーマジックを並ぶ間もなくかわし、勝ち時計1分31秒7は翌日の安田記念と同タイム。惜敗続きのうっ憤を晴らす豪快な勝ちっぷりだった。
 「もっと早くオープンに上がるかなって思っていたけど、展開が向かなかったりで19戦もかかった。それでもやることは変えず、我慢してここまでやってきた。初めての重賞でどこまでやれるか楽しみ」と横井助手が最後に力強く締めくくった。前走に続き手綱を取るのは絶好調のベテラン・柴田善。ようやくつかんだチャンスを生かし、いきなり重賞のタイトルをつかむか。広く直線の長い新潟の外回りコースは絶好の舞台。今回も末脚爆発のムードが漂っている。
 ▽スピリタス ポーランド産のウオツカ。世界最高度数の強い酒として知られる。カクテルの名前でもある、父タニノギムレットからの連想。

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2010年8月5日のニュース