【桜花賞】サウンドバリアーが脚質転換で大化け
今年に入り、新星が続々と誕生した桜花賞戦線。中でもフィリーズレビューを制したサウンドバリアーに不気味なムードが漂う。本番を前に脚質転換に成功。大接戦の前走で競り勝った勝負根性は混戦で大きな武器になる。旧勢力では阪神JF2着アニメイトバイオが好気配。大一番で2着続きに終止符を打つか。
これほど、鮮やかな脚質転換もそうはない。フィリーズレビューを大外一気で射止めたサウンドバリアーが“乱桜”まで制圧しようとしている。転機は3走前の未勝利戦(京都1600メートル)。ダート1200メートルでも楽々とハナを奪える弾丸娘が、道中最後方16番手からのゴボウ抜きだ。
安達師も衝撃の鬼脚だった。「ゲートセンスがいい馬で自然と前に行っちゃうけど、先頭に立つと馬が満足してしまうような面があった。あの時は馬の後ろで控えてほしい…と。あんなに後ろからになるとは思わなかったが、はじけてくれたね。未勝利はすぐ勝つと思っていたけど、すぐG1まで行けるとは」
続くエルフィンS(9着)はスローに泣いたが、トライアル優勝で一躍有力候補に。栗毛の父アグネスデジタルとは似ても似つかない芦毛の馬体は母スリーピングインシアトル譲り。「女の子の割に肉付きもいいしカイバも落ちないから調整しやすい。前走の6キロ減は少し意外だったが中間は体も増えている。デジタルの子だから1800メートルあたりまではOK」と指揮官。1週前追いは坂路で4F52秒8。全休明けの6日も坂路で4F66秒2と軽快なキャンター。馬体維持に苦慮する陣営も少なくない中、しっかり調教できるのは強みだ。
唯一の懸念材料は展開面か?「何が行くんでしょうね。いずれにしても速くなりそうもない」。確かに差し馬が集結。これまでの後方待機では届かない恐れもある。「切れる脚が使えることは分かっている。欲を言えば中団あたりにつけて、あの競馬ができれば」。暮れのJCダートに続き、今年のG1第1弾・フェブラリーS優勝(ともにエスポワールシチー)で波に乗るトレーナーはさらなる進化を愛馬に求めた。後方一気から自由自在の差しへ。“第2の脚質転換”に成功すれば、第70代桜の女王の座が見えてくる。(小田 哲也)
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