【桜花賞】センスと度胸が売りアプリコットフィズ

[ 2010年4月6日 06:00 ]

センスと度胸が売りのアプリコットフィズ

 いよいよクラシックの開幕。「第70回桜花賞」では、3戦2勝アプリコットフィズが桜の女王の座を狙う。好位から楽々と抜け出した前走・クイーンCからも非凡なレースセンスがうかがえる。06年のキストゥヘヴン以来、4年ぶりとなる関東馬Vへ期待は膨らむばかりだ。

 関東優勢の桜前線。栗東滞在中のアパパネに代わって美浦を盛り上げるのは、クイーンCの覇者アプリコットフィズだ。
 とにかくセンスが抜群。デビュー戦は好位から直線の坂でトップスピードに乗り、好時計での差し切り。クイーンCでも素晴らしい手応えから坂で先頭。ゴール前では抑える余裕があった。高い能力をしっかり出し切る精神的強さがある。自分をコントロールできる点が最大の強みだ。
 美浦のある調教師は、こう看破した。「あの馬は道中で全く耳が動かない。ブエナビスタもそうだが、どっしりと落ち着いているんだ」。馬は耳から周囲の情報を収集し、感情を表現する。耳が動かないのは動揺のない証拠。常に能力を出し切れる、確度の高い裏付けといえる。
 3月31日の1週前追い切りも見せ場たっぷりだった。ポリトラックコースでギンザクイーンビー(4歳500万)を5馬身追走。4角で背後にピタリと付け、直線でサッと外に出して併入。時計は5F63秒0、1F12秒7を刻んだ。時計も速いが大事なのは中身。仮想敵の直後で我慢させ、ゴーサインとともに外に出したあたり、かなり実戦的だった。「本格的な追い切りができた。早めに後ろに付けたが余裕があったね。これなら来週はサラッとやれば大丈夫」。騎乗した小島良助手も大満足の動きだった。
 そして、こう続けた。「順調すぎるほど順調にきている。時計も予定通りに詰めてきたからね。カーッとするところがなく、牝馬とは思えない性格だよ」。戴冠は目の前。緊張しているのでは?という意地悪な質問にも柔和な笑みで「緊張やピリピリした気持ちはないんだ。心からワクワクしているよ」。馬、スタッフとも心身充実。目下のアプリコットフィズに死角はない。

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2010年4月6日のニュース