【京都記念】「語る必要ない」ほどブエナは強い！

　ブエナビスタがドバイ遠征へ弾みをつけた。前走・有馬記念からコンビを組んだ横山典が「休み明けで負荷をかけたくなかったので、いい位置につけたかった」と明かす通り、好位３番手を追走。さらに、ホクトスルタンが逃げてスローペースに落ちるのを見越して早めに先頭との差を詰めていく積極的なレース運びを見せた。

　直線半ばからが２冠馬の真骨頂だった。ジャガーメイルの手応えがよく、並びかけられたものの抜かせなかった。「並んだら抜かせない。さすがだね。大した馬だよ」と名手をうならせた勝負根性で、逆に半馬身突き放した。

　オークス以来となる９カ月ぶりの勝利。昨夏から続いていた悪い流れをついに断ちきった。「この馬は僕が多くを語る必要はない。いい馬ですよ」。今年早くも重賞５勝目を挙げた鞍上は、相棒の強さをシンプルに説いた。

　今後はドバイ遠征へ。「日本代表としていい馬が行きますから、みなさん応援してやって下さい」。横山典の気持ちもすでに中東へ向いている。ドバイデューティフリーを制した厩舎の先輩アドマイヤムーンに続く快挙へ。壁を一つ乗り越えた名牝には“絶景”が待っているはずだ。