【JC】ウオッカは男だ!ルメール驚きのブッチギリ

[ 2009年11月26日 06:00 ]

<JC追い切り>ルメールの合図で2頭をグイグイ引き離すウオッカ(右)

 女王復活だ!!競馬の祭典「第29回ジャパンC」(29日、東京)の最終追い切り。この秋、2戦連続で結果が出ていないウオッカは新コンビを組むルメール騎手が騎乗、3頭併せで鋭い伸び脚を披露した。過去2年は4、3着に終わっている念願のタイトルを手中に収めれば今年G1・3勝目となり、年度代表馬の座も見えてくる。ジャパンCの枠順は26日に確定する。

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 1週前追い切りで初めてウオッカに騎乗したルメール騎手。日本を代表する牝馬への騎乗を喜び、その乗り味を絶賛したが、2度目の騎乗となった最終追い切りでもまた新たな発見があった。「先週は礼儀正しく自己紹介をしていたけど、けさはもう思うままに振る舞っていた。彼女の思うように走らせたよ」とルメール。
 CWコースで前にインセンティブガイ、ポップロックのオープン馬2頭を置き、悠然と追走していく。4角で内に入ると強烈に加速、一気にパートナーを抜き去った。ラスト1F(200メートル)は11秒6。あっという間の4馬身先着だ。「凄い加速だった。しかも僕が仕掛けたというよりは、彼女が自発的に、自分自身でハミを取ってスピードを上げたんだ」
 ルメールは、行きたがるとか引っ掛かるという否定的ニュアンスではなく、自発的な(voluntary)という単語を使ってウオッカの走り、そして走りへの意欲を称賛した。
 「大きなアクションが凄く印象的だった。これまでにも多くの素晴らしい牝馬に乗ってきたけど、ウオッカはディヴァインプロポーション(G1・5勝)ともプライド(同3勝)とも違うタイプ。むしろ牡馬に乗っているようだった」と褒めた。その一方で、冷静に「2400メートルは長いかもしれない。細心の注意深さが必要」とレースへの戦略も思い描いていた。
 近況はマイルでの良績が際立つウオッカに、昨年のジャパンC3着以来となる2400メートルの距離が大きなポイントになるのは間違いない。鞍上は調教の感触から「距離が長いかも」と表明したが、陣営は自信を持つ。清山助手は精神面の成長を強調。「海外遠征などを経験して、神経に太い幹が張ったように落ち着いている。今の精神状態なら、2400メートルへの心配はき憂に終わるでしょう」
 春はヴィクトリアマイル、安田記念とG1連勝を飾ったウオッカだが、この秋は毎日王冠2着、天皇賞3着と結果が出ていない。“V請負人”の異名を取るフランスの名手が同馬を完全復活に導くか注目される。

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2009年11月26日のニュース