【菊花賞】ハナ差2着 フォゲッタブルにわずかな誤算

[ 2009年10月26日 06:00 ]

<菊花賞>スリーロールス(中)を猛追するフォゲッタブル(左)

 3000メートル走って鼻差。最後まで勝ち馬を追い詰めたフォゲッタブルだが、2着に終わり、ラスト1冠獲りはならなかった。

 「惜しかった」
 吉田隼は唇をかんだが、若武者の手綱さばきは素晴らしいものだった。スリーロールスが好走すると看破し、1コーナーでその直後に付けた。隣のセイウンワンダーの福永が「無理や」と声をかけたが「すみません」と言いながらポジションを主張しきった。
 「前走の勝ち方を見て浜中君の馬が強いと思った。あの位置は譲れなかった」
 直線も浜中めがけて追った。スピードに乗りかけたところで浜中が外に流れ、前をカットされたのがわずかな誤算。「あれがなければという感じもあるが…でも、勝った馬は強い」と複雑な心境を吐露した。「この着差は悔しいが、イメージ通り乗れた。G1騎手になるのはまだ早いということかな」と肩を落とした。
 池江郎師は「よく走ったが、これも勝負。自分の競馬を展開して思い切って乗ってくれた」と吉田隼を称えた。母エアグルーヴの良血。昨年の今頃は股関節の緩さに苦しみ、競走生活を断念しかけたが、我慢の末にここまでの馬になった。最近、走り方が厩舎の先輩ディープインパクトに似てきたと、もっぱらの評判。「年内に使えるようならG1へ行きたい。体も来春には完成するだろう」と池江郎師。良血馬の成長を示す銀メダルだった。

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2009年10月26日のニュース