合田 一度は墜ちた英の名手がついに復活!

[ 2009年9月3日 07:19 ]

 【合田直弘の海外ターフ事情】4日(金曜日)に、キーレン・ファロン騎手(44)がターフに帰ってくる。英国でリーディングの座に就くこと6回。英ダービー制覇3回、英オークス制覇4回など数々の栄光に彩られる一方、行状に問題があり世間を騒がすことも多かった。06年7月、07年8月と、騎乗していたフランスで2度にわたってドーピング検査で禁止薬物の使用が発覚し、08年3月1日から18カ月間、フランスだけでなく全世界で騎乗停止という処分が科せられていた。

 当時ファロンは42歳。このまま引退するのではとの臆測に反し、ニューマーケットの複数の厩舎で調教に騎乗して体調維持に努め、ついに免許再交付の日を迎えたのである。薬物使用は許されざる犯罪である一方、罪を償った人間には雇用の機会を含めた社会復帰の場を与えるのが欧米だ。復帰の舞台となる4日のリングフィールド競馬場における開催では複数の騎乗馬が用意されているほか、5日にヘイドック競馬場で行われるG1スプリントCでは、目下4連勝中のハイスタンディング(セン4歳)、6日にドイツで行われるG1バーデン大賞では、2年連続凱旋門賞2着のユームザインと、いずれも1番人気が予想される有力馬への騎乗が決まっている。復活する名手の手綱さばきに注目したい。(競馬評論家)

続きを表示

2009年9月3日のニュース