【ダービー】秘策耳覆いでカプチーノ2冠ある!

[ 2009年5月27日 06:00 ]

プールで調教するジョーカプチーノ

ダービー勝ち馬予想

 皐月賞上位組と渡り合う伏兵は、NHKマイルCからやってくる。過去10年のダービー優勝馬の前走をひもとくと、1位は当然、皐月賞(5頭)だが、これに迫るのがNHKマイルC組。02年タニノギムレット、04年キングカメハメハ、そして昨年のディープスカイの3頭が、力強く皐月賞組を粉砕している。
 今年、その期待が懸かるのがジョーカプチーノ。離して逃げたゲットフルマークスを、ただ1頭で追走する展開の利もあったが、優秀な時計で2着(レッドスパーダ)に2馬身差をつけたNHKマイルCでの勝ちっぷりは認めるべきだ。中竹師は勝因をこう語った。「マイルでも折り合いがついたことが大きい。以前は前に馬がいると追いかけて仕方がなかった。ところが前走は折り合って、無理に追いかけなかった。想像以上に競馬を覚えているね」
 変則2冠への最大の壁は800メートルの距離延長。ポイントは序盤にあると師はみている。「最初の100~200メートルが肝心。そこで(ハミを)かまなければ大丈夫。かむことなく頭を上げて走ってくれれば理想的だね」。冷静に走らせるため、工夫も施した。「今回はメンコの耳覆い部分の布質を厚くした。2ミリから倍の4ミリくらいにしたかな。ファンの声援が届きにくいようにね。効果は大きいはず。全然違うと思うよ」。ダービーはスタンド前発走。10万人を超える大歓声がダイレクトに馬の耳に響く。重厚な耳覆いが、ジョーカプチーノを動揺から救うと師は考えている。
 20歳の若武者・藤岡康太は腹にズシリと響く歓声にも舞い上がることはないだろう。中竹師は笑ってこう語った。「あいつは天然。いいキャラだよ。NHKマイルCも、レースの数日後にG1を勝ったんだと気付いたんじゃないか?あいつを見ていると、こちらがピリピリしているのがアホらしくなるよ」。秘策の耳覆いで馬が落ち着きを維持し、緊張とは無縁の鞍上が馬をうまく誘導した時…NHKマイルC以上の波乱が待っている。

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2009年5月27日のニュース