【SSシリーズ風光る09】完勝!伏見は強い 

[ 2009年5月6日 06:00 ]

 今年、新設されたG1「SSシリーズ風光る09」の決勝戦は5日、大阪・岸和田競輪場で争われ、伏見俊昭(33=福島・75期)が最終バックからまくって優勝、賞金2490万円(副賞含む)を獲得した。伏見のG1制覇は08年オールスター以来4回目。2着は小嶋敬二で車単(3)―(2)1600円(4番人気)の決着だった。

 伏見が抜群の安定感を見せつけて「SSシリーズ」の初代王者に輝いた。レース終了直後、神山と小嶋に「伏見は強い」と称賛されるほどの完勝劇だった。
 「山崎君の番手をしっかり」。何度も連係してる山崎を信頼して決勝に臨んだ伏見だが、打鐘から最終ホームにかけて平原、小嶋らで前団がもつれて山崎の番手に戻れない流れになった。「自分でまくる展開は全く考えていなかったが、僕の後ろには佐藤君がいる」
 一瞬の判断で態勢を立て直した伏見は最終バックから仕掛けて「外を踏んだらゴールまでに届いた感じ」と番手まくりの小嶋を抜き去ってゴールを駆け抜けた。だが「山崎君との連結が外れたのが反省点で素直には喜べない」と9着に沈んだ山崎を気遣うところが伏見らしい。
 「G1優勝と言われてもG1っぽくないですよね」。今年から新設されたG1のSSシリーズ風光る。グランプリ09の出場権利は4日制以上のG1優勝と定められており、3日制の同シリーズにグランプリ権利はない。伏見は複雑な笑顔を見せた。しかし、この優勝で今年の取得賞金額が6920万円となり「グランプリが見えてきたかな」という意味では大きな1勝だった。

 昨年の北京五輪終了後から競輪に専念したと同時に、抜群の安定感を誇る伏見には「競輪選手として競輪を極めたい」という強い思いがある。「この後も全プロ、高松宮記念杯と一戦一戦1着を狙っていく。(4日制以上の)G1を勝ってグランプリへの目標は変わらない」。伏見の心技体の充実ぶりを感じさせる優勝劇だった。

 ▼伏見 俊昭(ふしみ・としあき)1976年(昭51)2月4日生まれの33歳。福島県出身。県立白河実高卒。95年4月プロデビュー。通算成績は1030戦321勝。通算取得賞金は11億6341万円。主な優勝は第44回、51回オールスター(01、08年)、第57回日本選手権(04年)、グランプリ01、07。アテネ五輪(04年)チームスプリントで長塚智広、井上昌己とともに銀メダル。1メートル81、89キロ。血液型O。

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2009年5月6日のニュース