【かしわ記念】ヒキリ超え!エスポワール初G1!

[ 2009年5月6日 06:00 ]

<第21回かしわ記念>直線で激しく叩き合う(左から)2着・カネヒキリ(左)と1着エスポワールシチー(右)

 春のダートマイル王決定戦「第21回かしわ記念」が5日、船橋競馬場で行われ、JRAのエスポワールシチーが、G1・7勝カネヒキリの追撃を3/4馬身抑えて王座を奪取した。重賞連勝でG1初制覇。フェブラリーS(サクセスブロッケン)に続く4歳勢のVで世代交代を印象づけた。中央勢が4着までを独占。地方勢はフリオーソの5着が最高だった。

 今年重賞路線に進出したばかりの上がり馬が、半年足らずで頂点に達した。重賞4度目、G1・2度目の出走となったエスポワールシチーだ。
 午後に降り出した雨が勢いを増し、馬場は先行有利の重。デビュー戦から手綱を取り、今回が11回目の騎乗(全15戦)。普段の調教にも乗っている佐藤哲は逃げの戦法も考えた。だが「前回(マーチS)松岡が下げる競馬を教えて勝ってくれた。今回も切れ味を生かそう」と決断。中団やや後方から、じっくりとレースを進める。3角でスムーズに外から進出し4角では3番手。直線、追い出しを我慢して抜け出すと、ゴール前急追の単勝1・8倍カネヒキリを着差(3/4馬身)以上の強さで完封した。
 佐藤哲は「早めに抜け出して馬が遊ばないように気をつけた。手応えはバッチリで、(後続に)取りつかれても大丈夫だと。4コーナーでカネヒキリは(内に)閉じ込めたので詰め寄られることはないと思ったが、さすがですね」と敗者を称える余裕を見せた。
 芝では7戦1勝も、昨年夏以降ダートで500万からオープンまで4連勝。出世は遅れたが、いよいよ完成の域に入ってきた。「いいスピードと推進力を持っている。でも、もっと効率のいいフォームで走れるはず。スタッフと協力して育てていきたい」と佐藤哲。今後はG1・帝王賞(6月24日、大井2000メートル)へ向かうか、休養して成長を促すか、どちらかの選択になる。エスポワールシチーの大きな進化は、まだ始まったばかりだ。

 ▼エスポワールシチー 父ゴールドアリュール 母エミネントシチー(母の父ブライアンズタイム)牡4歳 栗東・安達昭夫厩舎所属 馬主・(株)友駿HC 生産者・北海道日高町の幾千世牧場 戦績15戦7勝(南関東1戦1勝)総獲得賞金2億676万1000円。

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2009年5月6日のニュース