東のベルベール西の砦で快時計/阪神JF

[ 2008年12月11日 06:00 ]

<阪神JF>後藤騎手を背に栗東の坂路で追い切られたダノンベルベール

 栗東滞在の成果を見せる時が来た。「第60回阪神ジュベナイルフィリーズ」(14日)の追い切りが美浦、栗東トレセンで行われ、関東馬ダノンベルベールが栗東坂路で軽快な走りを見せた。3戦無敗のデグラーティアも迫力満点の動き。17分の6の抽選を待つ賞金400万円組ではビワハイジの娘、ブエナビスタなどが臨戦態勢を整えた。

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これが栗東留学の効果。後藤を背にしたダノンベルベールは“1枚の絵”のごとく、その風景に溶け込んでいた。開門直後の坂路に登場するとテンから緩めずに軽快に飛ばす。横に馬がいてもムキになることなく自らの走りに集中。手綱が動くことなく、好タイムが計時されていた。
 先月26日から調教日は栗東に滞在している後藤の笑顔が、すべてを語っている。「本当はしまい重点で伸ばした方が見栄えはいいと思うけど…。緩急をつけないようにして、前半から飛ばしつつ最後もエネルギーを保ったままでゴールできた。テンションの高ぶりもないし落ち着いていい状態。52秒5(4F)もきょうの馬場状態を考えればいいのでは?」
 赤松賞1着後、ベルベールの方は先月22日に一足早く栗東へ。後藤の栗東暮らしも2週間が過ぎた。美浦とは違う坂路の特徴や時計の出方も体内にインプットして、最終追いを無事終えた。「付きっ切りというわけではないけど要所要所で(調教に)乗れているからね。体は多少シャープに感じるけど動きには影響ないしカイバもよく食べている」
 栗東留学のパイオニアとも言われる国枝師にとっても、愛馬の元気な姿が最高のエネルギーだ。繊細な2歳牝馬には、美浦―阪神の直前輸送は悩みの種。到着後も前日に開催があればファンファーレや歓声で神経をすり減らせる。どうすれば最善の状態で送り出せるか?栗東に滞在すれば、関西馬と同じレース当日の輸送で挑める。
 赤松賞でも見せた3F33秒台のシャープな末脚が最大の武器。目算通りに平常心で挑めれば層の厚い関西馬も怖くはない。「完成度も高いし一戦一戦課題をクリアしてくれる。時計勝負も対応できると思う。スイッチを入れればパッと入りそうな感じ。調整に関してはほぼ完ぺき。あとは結果が出るかどうかだけです」。後藤は人&馬の栗東留学効果の結実を祈っている。

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