白ユキ姫は野心タップリ/クイーンS
白毛馬によるJRA重賞初Vの夢が膨らむ。公営川崎の交流重賞・関東オークスを制したユキチャンが「第56回クイーンS」(17日、札幌)に参戦。すでに現地入りして臨戦態勢を整えており、春のクラシック上位馬に真っ向勝負を挑む。
【登録馬
ユキチャン
】
強豪牝馬が毎年顔をそろえるクイーンSは秋を占う上で重要な一戦だが、今年は関東オークス(交流G2)で白毛馬初の重賞Vを飾ったユキチャンも参戦。今週末の札幌競馬場は大フィーバー間違いなしの状況だ。
社会現象にまでなりつつあるユキチャンだが、偉業を達成した前走後は誤算続きだった。G1初制覇を狙ったジャパンダートダービーはレース当日(7月9日)にじんましんを発症して競走除外。「小回りなら古馬が相手でも」(後藤師)と次の目標に設定した旭川のブリーダーズGCは、賞金不足で無念の除外となった。
それでも「(除外は)仕方がない。旭山動物園に行きたかったけど(笑い)」と後藤師に悲そう感は全くない。最終的にクイーンS出走となる可能性が高いとみて、早い段階で鞍上に藤田を確保。涼しい札幌での調整で体調はグンとアップしており、美浦で見せていたテンションの高さも収まって落ち着きもある。追い切り日程など調整面も抜かりはなく、仕上がりは上々だ。
今回の最大のポイントは芝。ミモザ賞Vの実績はあるものの、オークスTRのフローラSでは7着に完敗している。しかし、フローラSはまだ脚質が定まっていなかったため、中途半端に抑えて切れ味負けした形。「(除外になった)オークスに出走できていれば、勝ち負けになっていたと今でも確信している」と後藤師。芝でも十分に大きなところを狙える器。これが師のジャッジなのだ。
桜花賞馬レジネッタ、春2冠でいずれも2着のエフティマイアが出走するここは、芝適性と今後を占う上で最高の舞台設定。「決めたレースに向けて一生懸命仕上げるだけ。つまらないかもしれないけど、その後のことはレースが終わってから」と師は慎重だが、もしVを飾れば…芝も含めた3歳牝馬の頂点に立つ期待が膨らんでくる。
▼関東オークスVTR ユキチャンは果敢に先手を奪い、3コーナーで後続を引き離す。直線でも脚色は衰えず、最後は鞍上の武豊が手綱を抑えて圧勝。2着プロヴィナージュに8馬身の着差も、2分14秒7の勝ち時計も、ダート2100で施行された98年以降の新記録となった。
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