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打倒・真田丸!尚弥 ロマゴン戦見据え“視聴率男”をアピールだ

[ 2016年9月4日 05:30 ]

タイトルマッチの前日計量をクリアしたWBOスーパーフライ級王者の井上尚弥

WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦 王者・井上尚弥―挑戦者ペッチバンボーン・ゴーキャットジム

(9月4日 神奈川・スカイアリーナ座間)
 ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(23=大橋)が「怪物」からお茶の間のヒーローになる。3度目の防衛戦の前日計量が3日に都内で行われ、両者ともにリミットいっぱいの52・1キロで一発パス。3階級制覇王者ローマン・ゴンサレス(29=ニカラグア、帝拳)との対戦実現へ重要なアピールとなる一戦で、大橋ジムの大橋秀行会長(51)はテレビ視聴率アップにも期待を寄せた。

 計量をパスして挑戦者とファイティングポーズを取った井上尚はすぐに背を向け、控え所で栄養補給した。「ひと安心。コンディションは凄くいい。圧倒的な力の差とテクニックを見せて最後はKOで倒したい」。2試合ぶりとなるKOでのV3を宣言すると、「ビッグマッチを実現できるようにアピールしたい」と言うのも忘れなかった。

 視線の先には“ロマゴン”がいる。全階級を通じて最強と評されるゴンサレスは、4階級制覇を懸けて10日にWBC世界スーパーフライ級王者クアドラス(メキシコ、帝拳)に挑戦。同じ階級に進出したことで来年の対戦実現が期待され、井上尚も試合視察を予定している。それだけに大橋会長は「これからどの試合も大事になる」と強調。さらに「真田丸やイッテQを吹っ飛ばしてもらいたい。本人には関係ないけど…」と付け加えた。

 今年の日曜午後8時台の地上波は、NHK大河ドラマ「真田丸」と日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!」が視聴率争いでリードしている。5月の同時間帯にフジテレビが放送した井上尚のV2戦は、両番組が19・1%と17・8%だったのに対して8・8%。ボクシング中継で数字を取るのは難しいのが現状だけに“健闘”だが、WBC世界バンタム級王者・山中慎介(帝拳)は毎回のように2桁をマーク。井上尚は早い回でのKO決着が多いため数字が伸びないと言えるが、“伸びしろ”があるのも確かだ。

 米国ではビッグマッチでメインを務める人気選手ほど有料放送ペイ・パー・ビュー(PPV)の契約件数が多く、高額ファイトマネーにつながっている。視聴者数イコール認知度の物差しは日米同じ。米進出アピールには、視聴者がチャンネルを変えられないほどの試合っぷりも求められる。

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2016年9月4日のニュース