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井上 1年ぶり復帰戦仕上がりバッチリ「待ちくたびれました」

[ 2015年12月29日 05:30 ]

計量をパスした井上尚弥

プロボクシングWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦 王者・井上尚弥―同級1位・ワルリト・パレナス

(12月29日 東京・有明コロシアム)
 ダブル世界戦の前日計量が28日、都内のホテルで行われ、1年ぶりの復帰戦で初防衛を目指すWBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥はリミットの52・1キロ、挑戦者のパレナスは51・7キロでともに一発でクリアした。

 計量を終え、あとは当日のリングに立つだけとなった井上はつぶやいた。「待ちくたびれました」。プロ、アマを通じて初めて経験した1年間のブランク。22歳の若き怪物には、とてつもなく長い時間だった。

 我慢して待ったおかげで、昨年末のナルバエス戦で痛めた右拳は完治した。時間があった分、計画的に減量もでき、きっちりリミットで一発クリア。仕上がりは「バッチリです」。あとは闘いに飢えた心を解放するだけ。「フィニッシュで見せつけたい。豪快なKOで、井上が帰ってきたぞと思わせたい」。久々に強気なKO宣言も飛びだした。

 今回、WBOのフランシスコ・バルカルセル会長が来日した。わざわざ足を運んだのは「昨年は信じられないことが起こった。自分の目で確かめたかった」から。昨年末、井上が世界王座計27度防衛の伝説の王者ナルバエスに2回KO勝利したことは、それほど衝撃的なニュースだった。

 同会長は「井上はハードパンチを持っている。ゴメスのようだ」と世界戦17連続KO防衛の記録を持つ世界3階級制覇王者のウィルフレド・ゴメス(プエルトリコ)の名前を引き合いに出して称賛した。さらに「バンタム、スーパーバンタムでも戦える体を持っている」と将来的には3階級、4階級制覇も可能との見方を示した。

 復帰戦の会場、有明コロシアムは約1万人収容可能。当日券は用意されているが、既にアリーナ席などは完売している。東京体育館で8000人を集めた昨年を上回る観客が訪れる可能性もある。井上は「衝撃を与える勝ち方をしたい」と言った。ファンも井上の衝撃的な勝利を待っている。

 ▽昨年12月30日のWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ 井上は開始25秒に王者ナルバエスから右フックでダウンを奪い、さらに連打で2度目のダウン奪取。2回には左フックで3度目のダウンを取った後、左ボディーでキャンバスに沈めた。ライトフライ級に続く王座獲得で世界最速の8戦目での2階級制覇達成となった。

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2015年12月29日のニュース