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山中 夏バテ克服!KOするの「何回がいいですか?」

[ 2013年8月12日 06:00 ]

余裕の表情で計量をパスするチャンピオン・山中

WBC世界バンタム級タイトルマッチ 王者・山中慎介―同級8位・ホセ・ニエベス

(8月12日 大田区総合体育館)
 ダブル世界戦の前日計量が都内で行われ、WBC世界バンタム級王者の山中慎介はリミットの53・5キロ、挑戦者の同級8位のホセ・ニエベスは53・3キロでそれぞれ一発でクリアした。夏場の試合を苦手とする山中は4度目の防衛へ向けて万全な体調に整えた。WBC世界フライ級王者の八重樫東と挑戦者の同級10位のオスカル・ブランケットはともにリミットの50・8キロでクリアした。

 王者の表情は自信に満ちあふれていた。山中は計量をきっちりリミットで一発パス。減量の影響で高くなりやすい体温も、いつもと変わらない36・6度。「体調はバッチリ、万全です」と仕上がりに手応えは十分だ。

 プロ入り後は自身3度目となる8月の試合。無敗の戦績に記される「2分け」のうち1つは8月で、「夏バテするタイプ。8月にいい試合をしたことがない」とも漏らす。夏場のコンディションづくりが最大の課題。今回も猛暑が続いた7月上旬に一度調子を落とした。だが、練習中も家での食事でも氷入りの飲み物は取らず、胃腸の機能が低下しないように努めるなど注意を払った。帝拳ジムの浜田剛史代表は「夏に体重を落とすのは簡単だが、疲れも出やすい。追い込んでいた7月の疲れがうまく取れた。これまでの経験が生きた」と仕上がりに太鼓判。大事な一戦を前にして、夏バテを克服した。

 防衛戦4連続でサウスポーとの対戦だが、ニエベスは好戦的な相手だった過去3戦とはタイプが違い、距離を取って守備を重視する選手。カウンターの右フックが武器だ。浜田代表は「追っていく場合もあれば、(相手が前に出てくる)チャンスを待つ場合もある。どちらも対応できる。試合になってからの判断になる」と話し、複数のKOパターンも準備している。「KOを狙う」と公言している山中は報道陣に「何回がいいですか?」と逆に問いかけるほど心に余裕もある。夏のリングも、もう怖くはない。

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2013年8月12日のニュース