×

橋下氏の君が代に喝采 「政治利用」との見方も

[ 2011年12月7日 21:09 ]

 大阪市長に就任する「大阪維新の会」の橋下徹代表と同会幹事長の松井一郎府知事が7日夜、テレビ中継される中、世界ボクシング協会(WBA)タイトルマッチの会場で国歌斉唱したことに、識者の間で「もっと控えめに」「一貫した行動だ」と賛否が分かれた。

 「イベントを政治的に利用しているとも(観衆に)受け取られる」と指摘するのは教育評論家の尾木直樹さん。「権力者だからこそ、逆に控えめに行動すべきだ。首長が前に出て歌うのは強制につながる恐れもある」と注文を付けた。

 精神科医の香山リカさんは「力を誇示しようとする政治的パフォーマンスだ。映像の力は大きい。起立しないといけない雰囲気が人々に刷り込まれるのではないか」と不快感を示した。

 一方、パフォーマンス学が専門の佐藤綾子日本大教授は「国民としてやるべきことはやるという姿勢のさらなる表明だ」と好意的。「府民に意志の強さ、行動の一貫性を示した効果は大きい」と分析している。

 維新の会が府議会に提出した教育基本条例案に反対の立場の藤田英典共栄大教授は「スポーツの場では国歌斉唱があるのは普通。とやかく言う気はない」と冷静だ。

 大阪府議会は6月、入学式などの国歌斉唱時に教職員に起立・斉唱を義務付ける「君が代起立条例」を維新の会の議員提案で制定。他の主要会派はいずれも反対した。

続きを表示

2011年12月7日のニュース