松坂大輔氏 オリックス・山下舜平大に熱視線!能力は由伸に匹敵、ボールの強さと角度魅力

[ 2024年1月30日 05:30 ]

松坂大輔氏
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 さあ、球春到来――。スポニチ本紙評論家の松坂大輔氏(43)による月1回の連載コラム「松坂大輔の探球」も3年目に突入。24年の第1回となる1月編は、目前に迫った春季キャンプ、そしてシーズンに向けて注目チーム、選手などについて語った。リーグ4連覇を目指すオリックスでは4年目右腕・山下舜平大投手(21)のスケール感に熱視線。2年連続で臨時コーチを務める古巣・西武への期待も口にした。

 1年がたつのは本当に早いですね。プロ野球はキャンプイン目前。2月、今年も取材をさせていただく予定です。もしキャンプ地に足を運んだ際にブルペンで投げることがあったら…。ぜひ、捕手の後ろからその球筋を見てみたい。そう思っているのがオリックスの山下舜平大投手です。

 昨季までリーグ3連覇のパの王者。しかし今季は山本由伸投手、山崎福也投手の先発2枚が抜けます。昨季の投球回は2人合わせて294回1/3。9イニング換算で32試合分です。この穴を埋めるのは容易ではありませんが、山下投手は体調さえ万全なら山本投手に匹敵するような成績を残してもおかしくない。それだけの際立った能力の持ち主だと思います。

 何より素晴らしいのが、ボールの強さと角度です。身長1メートル90。直球に角度がある上に、その軌道と同じところから一瞬、浮き上がって落ちてくるカーブがあります。昨季は開幕投手を務めて9勝。シーズン終盤は腰痛で離脱しましたが、選手起用が非常に巧みな中嶋聡監督は、既にさまざまなパターンを頭の中で思い描いているはず。もしかしたら、その中には高卒2年目でブレークが期待される斎藤響介投手の名前もあるかもしれません。身長1メートル77。サイズ感も山本投手に似ている右腕に自分も注目しています。

 もちろん、古巣の西武も気になります。先発投手陣の顔触れはリーグ屈指でしょう。中でも3年連続2桁勝利の高橋光成投手は既にエースとしての働きをしていますが、ここからさらにワンランク上を目指してほしい。他の先発投手も上のレベルに引っ張り上げるような、そんな投手になってほしいと思います。

 2月11日からは2年連続で臨時コーチを務めます。まだ映像でしか見ていませんが、ドラフト1位の武内夏暉投手にも期待しています。即戦力左腕として、今の西武で先発ローテーションに割って入ることができる投手なのか。実際に見るのが本当に楽しみです。臨時コーチは4日間。昨年のように投手陣のことを隅から隅まで見たいですね。自分が何かを伝えることで、少しでも良くなるきっかけを与えることができれば。そしてそれは、自分自身の勉強にもつながると思っています。(スポニチ本紙評論家)

 ▽昨季のオリックス・山下と斎藤 山下は3月31日の西武戦でプロ初登板で開幕投手を務め、5回1/3を4安打7奪三振で1失点。4月11日の楽天戦でプロ初勝利を挙げ、その後も間隔を空けて登板し16試合で9勝3敗、防御率1.61。8月下旬以降は腰痛で離脱も新人王に輝いた。盛岡中央から22年ドラフト3位で入団した斎藤は、9月26日の西武戦に先発して1軍デビュー。白星は付かずも4回2安打無失点の好投だった。

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