鈴木啓示氏 阪神・青柳は2桁勝ちたいという気持ちが先行…大事なポイントで一本調子に

[ 2023年9月22日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神3―5巨人 ( 2023年9月21日    甲子園 )

鈴木啓示氏
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 【鈴木啓示氏 視点】勝てる投手は「ここは危ない」と察知することに優れている。昨年まで2年連続13勝の青柳も、その勘は備わっているはずだ。だが、2桁勝ちたいという気持ちが先行し、大事なポイントで一本調子になった。甘い夢を見てしまった。

 丸とのタイミングは合っていた。6回2死一、二塁で外角球を左前に運ばれ、先制を許した。カウント1―2。危険を察知していたら、もっとボールを使っても良かった。さらに続く秋広には四球。これも響いた。代打の大城卓には初球を満塁弾。これはベンチワークでは防ぎようがない。左打者への弱点をさらけ出した。丸の適時打の1点で踏ん張れば、まだ勝機はあった。だが、四球に一発ではどうしようもない。

 クライマックスシリーズに向けても、青柳の位置づけは難しくなるだろう。青柳としては失敗をしっかり受け止め、プラスに変える努力が求められる。これを引きずったら、今季2軍を経験した意味もなくなる。得た教訓を左対策の徹底に充ててほしい。
(スポニチ本紙評論家)

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