鈴木啓示氏 阪神・青柳本来の姿へ「1、2の3」“間”を大切に いいストレートを投げてこそ持ち球生きる

[ 2023年4月26日 07:00 ]

スポーツニッポン評論家の鈴木啓示氏
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【鈴木啓示 視点】 開幕投手を務めた青柳の復調が、阪神の前半戦のポイントだ。14日のDeNA戦、21日の中日戦と2試合連続で5回を持たずにマウンドを降りている。大竹、村上が頑張っているが、大黒柱が安定しないと、阪神は本来の形にはならない。

 青柳自身にも焦りがあるのかもしれない。投げるタイミングも早くなっている印象がある。「1、2、3」のテンポで来るから、打者は合わせやすい。下半身の粘りも意識して「1、2の3」と“間”を取ってほしい。抑えないといけない、監督に認められる投球をしないといけない…こうした気負いが投球に表れている感じを受ける。2年連続の最多勝投手。自分の球に、もっと自信を持つことが必要だ。

 ここまでは、青柳の投球で4割近くを占めるツーシームが、打たれている傾向が出ている。昨年、この球種で被打率.248だったのが、今季は同.355。特に左打者に.444と打たれており、持ち味であるゴロアウトが取れていない。

 青柳にもこうしたデータは入っているはずだが、ツーシームの切れだけを取り戻そうとしても、なかなかうまくいくものではない。基本はストレート。回転のいいストレートを投げてこそ、ツーシームやカットボールも生きる。その順番を間違えないでほしい。

 バッテリーを組む梅野もここまでの反省点をチェックし、次への準備をしているはず。一時的に坂本に代える選択肢もあるが、苦しいときだからこそ、梅野とのコンビで切り抜けるのが、あるべき姿だと思う。(本紙評論家)

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2023年4月26日のニュース