伊東勤氏　光る楽天・マー君の投球術　全てボール球で日本ハム・万波をK斬り

パ・リーグ   楽天3－1日本ハム （ 2023年3月30日    エスコンF ）

＜日・楽＞力投する先発の田中将（撮影・高橋　茂夫）
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　【伊東勤　視点】楽天・田中将の配球のうまさが光った。初回から直球とスライダーにツーシームを組み合わせ、幅を使いながらボール球を振らせて4回を完全。自分のペースに持ち込んだ。

　5回1死から清宮に二塁打を許しマルティネスに死球で一、二塁。どうしのぐか注目していたが、役者が違った。万波を初球スプリットで空振り。2球目もスプリット。いずれもボール球だ。最後は外に逃げていくスライダー。これもボール球。若い万波を見下ろして1球もストライクを投げずに三振に切った。

　続く宇佐見の初球は膝元へのスプリット。これはボールになったが2球目は真ん中低めへチェンジアップで空振り。3球目はチェンジアップがボール。2―1から内角高めに149キロ直球。捕邪飛に仕留めた。4回まではツーシームとスライダーで内と外を意識させ、5回のピンチでは一転してスプリット、チェンジアップを使って高低差で日本ハム打線を翻弄（ほんろう）。経験に裏打ちされた投球は健在。ケガなくローテーションを守れば、数字も上がってくる。