ソフトB・水谷 ドミニカ共和国でDバックス・マルテと自主トレ 勝負の5年目へ「すべてを学んでみたい」

[ 2022年12月30日 05:00 ]

ドミニカ共和国で自主トレを行うことが分かったソフトバンク・水谷

 ソフトバンク水谷瞬外野手(21)が、今オフにドミニカ共和国でダイヤモンドバックスのケテル・マルテ(29)と自主トレを行うことが29日、分かった。両打ちで2019年には打率・329、32本塁打、92打点を記録し、内外野を守る同国出身の万能野手から打撃を中心に吸収し、高卒5年目の23年シーズンでの1軍デビューからの飛躍を目指す。

 勝負の5年目に向かう今オフ。水谷が、異国の地で進化を狙う。来年1月5日にドミニカ共和国に渡り同国出身の現役メジャー野手ケテル・マルテらと合同自主トレを行う。

 「まずはメジャーの選手がどんな世界、スケールなのかを知りたかった。スケール、レベルの違いからすべてを学んでみたくて」

 マルテはマリナーズを経てダイヤモンドバックスで二塁、遊撃、中堅手を守る両打ちの強打者。リーグ2位の打率・329、32本塁打などキャリアハイの数字を残した19年にはオールスターゲームにも選出された。「打撃における日本との考え方の違いから詳しく聞く」と水谷は学ぶテーマも決めている。

 これまではチームメートだった松田宣浩と自主トレを行っていたが、師匠は来季から巨人移籍。シーズン後に松田から参加の打診は受けたが「ずっと何もできていないし、松田さんに恩返しできる1年にする」と例年通りの日常よりも、あえて非日常を選んだ。

 マルテと球団のスペイン語通訳ウィルフレイセル・ゲレーロが同郷の友人関係だった。そんな縁で依頼すると歓迎された。首都サントドミンゴから車で1時間半ほどのニサオという小さな街のアパートで生活。トレーニングから現地料理の作り方まで、すべてを財産とする。ゲレーロ通訳は1月12日に来日する予定だが、水谷はぎりぎりの1月25日まで滞在。「言葉は気持ちで何とかなる。一日一日にこだわって、自分と向き合っていきたいです」と気合が入る。

 1メートル94、93キロの水谷は俊足強打の超素材型野手として期待され、4年が過ぎた。ここまで1軍戦出場はなし。来春のキャンプから再アピールをする前に殻を破るためのドミニカ共和国修行となる。

 「1軍にすべりこんで出場だけでは終わらない。ダークホースになれるように異例の存在になれるように割って入りたい。来年の最後には笑えるように」。年内は地元の愛知県内で調整し、異例の挑戦へ準備を続ける。

 ◇水谷 瞬(みずたに・しゅん)2001年(平13)3月9日生まれ、愛知県出身の21歳。小学4年で競技を始め、高校は島根・石見智翠館で甲子園出場なしも通算21本塁打。50メートル6秒0の俊足と140メートルを超える打球の飛距離を評価され、18年ドラフト5位入団。当時の理想は、ヤンキース外野手のスタントンだった。1メートル94、93キロ。右投げ右打ち。

《19年リーグ2位.329》
 ◇ケテル・マルテ 1993年10月12日生まれ、ドミニカ共和国出身の29歳。16歳だった10年8月にマリナーズと契約。15年7月31日にメジャー初昇格し、同日のツインズ戦で初安打を放った。16年11月にダイヤモンドバックス移籍。19年に記録したリーグ2位の打率.329は首位打者のイエリッチ(ブルワーズ)に6毛差だった。1メートル85、75キロ。右投げ両打ち。

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2022年12月30日のニュース