福岡北九州フェニックス 西岡監督の面白い試み リーグ発展のためグラウンド内外で奮闘

[ 2022年3月22日 17:35 ]

<福岡北九州フェニックス・火の国サラマンダーズ1>ナインを笑顔で迎える西岡剛監督(撮影・柴田春男)
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 フェニックスが力強く羽を広げた。3月20日、北九州へと向かった。プロ野球独立リーグのヤマエ久野九州アジアリーグに今年から新規参入した福岡北九州フェニックスの開幕戦を取材するためだ。本来なら前日19日に開幕予定だったが、雨で仕切り直しに。記者はソフトバンク担当で当初はマツダスタジアムで行われる広島とのオープン戦の取材予定を変更し、福岡第二の都市・北九州で産声を上げるフェニックスを取材に北九州市民球場へ向かった。

 福岡北九州フェニックスは実業家の堀江貴文氏が設立。ロッテ、阪神、メジャーでも活躍した西岡剛監督が率いている。自身を「スキッパー」と呼んでほしいという西岡兼任監督はアイデアマン。さまざまな新しい取り組みを行っている。特に印象が強かったものが、攻撃を盛り上げるスタイルだ。プロ野球の応援は太鼓や鳴り物が定番だが、フェニックスはクラブミュージックを流して、そのリズムに乗っていた。ただ、翌21日付の紙面、ネット記事では西岡兼任監督のコメントを十分に載せられず、「爆音」などと表現してしまったことから誤解を招いてしまい反省している。西岡兼任監督は「太鼓の音はプロ野球だと心地いい。でも独立リーグを経験して、観客がプロ野球みたいに2万、3万人も入らないと雰囲気が違ってしまう。DJを回して、音楽で新しいものをつくった方が面白い。選手たちは音楽で盛り上がるし、違うファン層をキャッチできたらいい」としっかりとその狙いを明かしていた。取材をしていた私も面白い試みだと思った。

 試合はソフトバンクなどで活躍した馬原孝浩監督が率いる火の国サラマンダーズ(熊本)に2―7で敗れたが、翌21日の第2戦は7―3で勝利。西岡兼任監督も4打数3安打と格の違いをみせ、記念すべき初勝利を挙げた。試合前には世界最速240キロ!?でマニアに知られる、球場近くの「三萩野バッティングセンター」で野手陣が調整するなど、こちらも工夫を凝らしていた。

 西岡兼任監督はリーグ発展のために何かできないかという一心で取り組んでいる。開幕戦では「1番・DH」で出場し、初打席は深々とスタンドに一礼した。「“今年1年よろしくお願いします”という思いを込めて。他の選手も一人一人がやってくれた姿は初々しく思う」。地域に根づくことで、野球の底辺が拡大し、北九州の創生にもつながる。西岡兼任監督は「僕たちプロ野球経験者は、いろんなものをアレンジして野球を盛り上げられるか」とも話す。新たな挑戦が成功することを願っている。(福井 亮太)

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2022年3月22日のニュース