花巻東・麟太郎 1年で大谷先輩と並ぶ56号 清宮上回る歴代最多ペース

[ 2022年3月17日 05:30 ]

高校通算56号を記録した花巻東・佐々木麟
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 第94回選抜高校野球大会(18日から13日間、甲子園)に出場する花巻東(岩手)の佐々木麟太郎内野手(1年)が16日、神戸市内で非公開で行われた育英(兵庫)とのダブルヘッダーの練習試合で2本塁打をマーク。これで高校通算56本塁打とし、OBでもあるエンゼルス・大谷翔平投手(27)の高校通算本塁打数に並んだ。センバツ前最後の練習試合を連発締め。両肩手術から復帰した怪物が、センバツで「大谷超え」を目指す。

 注目の怪物が、最高の状態で甲子園デビューを迎える。佐々木麟は育英との第1試合でバックスクリーンに一発。第2試合では右中間へ叩き込み、2発で最終調整を終えた。

 憧れと目標の先輩に早くも肩を並べた。エンゼルス・大谷が高校時代に放ったのと同じ高校通算56号。幼少期から父の洋監督が指揮を執る花巻東に声援を送ってきた。「心に刺激を受けて、いずれは甲子園でプレーしたいと思いました」。大谷の存在は身近でもあり、目標でもある。

 大谷が56号に到達したのは3年夏の岩手大会2回戦。佐々木麟はその数字に1年足らずで追い付いた。歴代最多とされる通算111本塁打の早実・清宮(現日本ハム)も、1年生の3月時点では35本塁打。清宮を20本も上回るペースだ。常々、本塁打について「こだわることなく強い打球を打って、その延長でスタンドに入ればいいなと思っている」としているが、期待は高まるばかり。甲子園デビューは、22日の第1試合。市和歌山と初戦を迎える。

 昨年12月に「胸郭出口症候群」で両肩を手術。中学2年時から腕や手にしびれが生じる中でプレーを続け、手負いの状況で1年で50発を積み上げた。リハビリを経て復帰し、5日の練習試合解禁から12日間で6発。完全復活だけではなく、さらなる進化さえ予感させる。

 佐々木麟は大谷の打撃フォームについて「打ち返すというよりは乗せて運ぶというのが自分には合っている。考え方としては一致しているのかなと思います」と共通点を語っていた。センバツの1大会最多本塁打は松井秀喜(星稜)らの3本塁打。東北勢初の日本一を目指す聖地では、大谷超えと、新たなスラッガー伝説を刻んでみせる。(柳内 遼平)

 ◇佐々木 麟太郎(ささき・りんたろう)2005年(平17)4月18日生まれ、岩手県出身の16歳。幼少時から「江釣子スポーツ少年団」で野球を始め、江釣子中では金ケ崎リトルシニアに所属。花巻東では1年春からベンチ入り。1メートル83、117キロ。右投げ左打ち。

 ▽大谷の高校通算56号 花巻東3年だった12年7月10日。夏の岩手大会初戦の宮古水産との2回戦に「3番・中堅」で出場。初回無死二、三塁から先制の右越え3ラン。これが高校時代は最後の本塁打となる通算56号だった。2年夏、3年春と2度出場した甲子園では2試合で通算1本塁打。3年春の1回戦・大阪桐蔭戦で、藤浪(現阪神)から右越えソロを放った。

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