【水島新司さん悼む】牛島和彦氏、パ地位向上に大きく貢献 侍・栗山監督「野球界の大恩人」

[ 2022年1月18日 06:00 ]

水島新司さん死去

水島新司さん
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 ▼牛島和彦氏(スポニチ本紙評論家。高校時代に愛称「ドカベン」の香川伸行氏とバッテリー)高校時代、香川のところには何度か顔を出されていたようですが面識はありませんでした。プロに入ってからは私が中日からロッテに移籍した当時、人気のなかったパ・リーグを懸命に盛り上げようとする姿が印象に残っています。水島先生がプロデュースされる形でパ6球団の選手が集うイベントがあり、そこで南海の香川とバッテリーを組んで始球式をやったのを覚えています。パの選手たちは水島先生の「パ・リーグ愛」に本当に感謝していました。漫画「ストッパー」を描かれていて「テーマはお前だ」と言われ、恐縮する思いでした。今のパ・リーグの隆盛は水島先生の貢献が大きいと思います。心からご冥福をお祈りいたします。

 ▼伊東勤氏(スポニチ本紙評論家)我々世代にとっては野球漫画の巨匠。「ドカベン」を読んで育ったようなものです。プロ野球編で山田太郎が西武に入団することになった。グラウンドでお会いしたときに「山田太郎は西武に入れるから」と。「レギュラーは獲られるけどDHで出しますから」と恐縮されていました。理由を聞くと「強いチームに入ってレギュラーを獲る存在にしたいから」と説明されていました。水島先生はひいきが南海ホークス。西武と対戦していつも勝てなかったんで「どうして(南海は)西武に勝てないの?」と試合前によく聞かれたのを覚えています。先生の作品ほど影響力の強い野球漫画は他にない。チームの事情や審判の話だとか、こと細かに描かれていて先生の取材力は凄いなと思っていた。

 ▼柏原純一氏(南海時代「あぶさん」景浦安武のモデルの一人)よく食事も一緒にしたし、南海のキャンプでもユニホーム姿でキャッチボールに参加されていた。「あぶさん」のモデルとされているだけでも光栄なこと。人気がなかったパ・リーグが知られるきっかけを漫画でつくってくれた。お元気なら、新庄監督も取りあげてほしかった。残念で寂しいです。

 ▼DeNA・三浦監督 ドカベンは子供のころから読んでいました。その漫画に自分が出させてもらった。(漫画の中で本塁打を打たれたが)打たれても打たれなくても関係ない。描いてもらっただけで幸せでした。

 ▼ロッテ・井口監督 若いころ、漫画の中に自分たちも登場させてもらい、うれしかったことをよく覚えている。ホークスの弱い時代から本当に優しく温かく見守ってもらった。

 ▼侍ジャパン・栗山監督 水島先生は野球界の大恩人。何も恩返しできないままで、本当にショックです。(大谷がデビューした)13年にオールスターの時、わざわざ神宮球場に来て“漫画みたいな選手をつくってくれてありがとう”と言っていただいた。男どアホウ甲子園から始まって、俺の青春というか(作品は)ほぼ読んだ。あの漫画の中には野球のいろんなヒントがあって、「1番・投手」も水島先生が結構やっていたからね。ドカベンの殿馬が憧れ。人ができないこと、みんなが楽しめる策とか、野球を考える上で何か(ヒントが)あって、きっかけは殿馬であることが多かった。そういう発想が(漫画を読んで)自分の中に入っていたと思う。本当に感謝しかありません。

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2022年1月18日のニュース