40歳ソフトB・和田 松坂大輔氏の夢受け継ぐ 驚きノルマ日米通算200勝へ「年齢らしからぬ投球を」

[ 2022年1月14日 05:30 ]

長崎の町並みを背に護国神社前の坂道を駆け上がる和田(撮影・岡田 丈靖)
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 「松坂世代」の思いを受け継ぐ――。ソフトバンク和田毅投手(40)が13日、長崎市内で合同自主トレを公開。「松坂世代」で唯一の現役となった左腕は、今季の目標として同世代の藤川球児氏から促された2000イニング登板を掲げた。残り7勝と迫るNPB通算150勝を目先のターゲットに定め昨季現役引退した松坂大輔氏に託された日米通算200勝と、同世代初の名球会入りも見据えた。

 プロ19年目。和田は同世代からの“むちゃぶり”に応える覚悟を決めた。

 日米通算170勝の松坂、同245セーブ164ホールドの藤川の両氏と、このオフに再会。引退した「松坂世代」の2人から現役最後の松坂世代へ、夢が託されていた。藤川氏からは、残り107回2/3に迫るNPB通算2000イニングの達成を促された。

 和田は「今年の通過点」と前置きした上で、実現を約束した。「日本通算2000イニングと150勝は今年、達成したい。ギリギリで達成できたとしても一つのモチベーションとして、まずはそこを」。同時に、先発2桁勝利も掲げた。

 一方、松坂氏からの要望は破格だった。今季41歳となる左腕に、引退までに松坂氏自身の「170」をはるかに上回る日米通算200勝達成のミッションが課された。そのためには52勝の上積みが必要。現在、MLBで5勝、NPBで143勝。現役を長く続けてほしいとの願いも込められただけに「大輔らしいなと。(松坂氏の)170勝もとてつもないのに(日米通算)200勝はビックリ。すごい数字ですが、同級生で名球会はいないので」。NPB通算200勝の入会条件をクリアし、世代初の名球会入りも視野に入れる。

 今季が2年契約の最終年。まさに勝負だ。昨季は18試合で5勝6敗。4勝5敗だった09年以来の負け越し。藤本監督はV奪回に向けて世代交代を掲げている。和田も、立場をわきまえている。

 「やるか、辞めるかがちらつく年齢。若い子と年上が同レベルなら、若いのを使うのがこの世の常。結果を残せば契約をもらえるが、(今の契約は)今年まで。強い思いで年齢らしからぬ投球を見せられるように」

 決意が増した出来事があった。長崎での自主トレ中に、同県出身で世界に誇る体操・内村航平氏=写真=の33歳での引退決断が報じられた。

 「年齢からすると、まだできそう。体操の世界は厳しいんだなと。でも内村選手じゃないが、できないのであれば辞める選択もしないといけないときがくる。自分も辞めるとき“やり切ったな、野球”と思えるように。だから今は手を抜きたくない」。魂は年を取らない。和田は必ず期待に応じる。(井上 満夫)

 《原点回帰》 和田の長崎での合同自主トレは4年目に突入。今回のテーマを「原点回帰」とし、30代後半の好調時の状態を目指している。この日は球場内で約90分間、チューブを巻いての下半身強化後に長崎市内の護国神社に移動。約300メートルの急勾配の坂道を8本駆け上がった。「僕の基本、体幹と尻周りをおろそかにしないように。しっかりやるべきことで、刺激を与えて頑張れていますね」。22日まで長崎で、己をいじめ抜く。

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