ロッテに鳥人あり!エチェバリア、抜ければ逆転のライナーキャッチ 藤原「美しかった。あれで勝った」 

[ 2021年9月21日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ1―0日本ハム ( 2021年9月20日    札幌D )

<日・ロ>8回1死二、三塁、西川のライナーをエチェバリアが横っ跳びキャッチし、雄叫びを上げる(撮影・長久保 豊)
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 首位のロッテは20日、日本ハムを1―0で下し、2位・オリックスとのゲーム差を3・5に広げた。8回1死二、三塁でアデイニー・エチェバリア内野手(32)が中前に抜けようかという打球を横っ跳びで好捕。メジャー時代に「鳥人」と呼ばれた身体能力を発揮し、ピンチをしのいだ。22日のソフトバンク戦に勝ち、オリックスが日本ハムに敗れれば、優勝マジック「22」が初点灯する。

 遊撃の後ろで守っていた中堅の藤原は「絶対に抜けたと思った。2人還られると思って、打球を追い掛けていた」と逆転を覚悟した。その瞬間、エチェバリアが宙を舞った。

 1―0の8回1死二、三塁で、二遊間を襲った西川のライナーをダイビングキャッチ。キューバ出身の名手は、両腕をクロスさせて感情を爆発させた。「近くにボールが飛んできたので、どこでも捕ってやるぞという気持ちだった。(打たれた)千隼を助けることができて良かった」。7日のオリックス戦では佐々木千が登板した8回に適時失策を犯し、チームも9回にサヨナラ負け。実は汚名返上のプレーだった。

 「鳥人」の異名を持ち、メジャー時代からサーカス的な守備力は一目置かれていた。15~17年途中までマーリンズで同僚だったイチローも「あいつ、人間かい!?」と驚きの声を上げるほどの身体能力を誇る。この試合で6回に決勝の右犠飛を放ち、7回守備では近藤が放った左中間への大飛球をジャンピングキャッチした藤原も「美しかった。僕が見てきた中でNo・1のプレーだった。あれで本当に勝った」と驚きを隠さなかった。

 球団公式YouTubeでは、垂直跳びで95センチを軽々と跳んだ。日本のプロ野球選手の平均は約65センチと言われ「バスケットボール選手ぐらいは跳べる」と胸を張る。身長1メートル83のエチェバリアは手を伸ばすと約2メートル15の高さになり、垂直跳びの95センチを足せば、3メートル5センチのゴールリングにダンクシュートもできる。

 2連勝で貯金15。22日にも優勝マジック「22」が初点灯する。スーパープレーの裏には、1点リードの終盤でも前進守備を敷かなかったベンチワークのファインプレーもあった。井口監督は「ナイスプレーでしたね」と称えたものの、手綱は緩めない。「(捕球した後もグラウンドで)座っていたから大丈夫かなと思った。ああいうところが抜けているので、ちゃんと注意しておきます」。強さの秘密はこんなところにも隠れている。(横市 勇)

 《22日マジック22点灯なるか》ロッテが勝ち、オリックスが敗れたためロッテの最短での優勝マジック点灯は22日で変わらず。22日にロッテがソフトバンクに勝ち、オリックスが日本ハムに敗れればM22が出るがどうか。

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