人生を変えた「横山に寄せてみろ」 専大松戸・深沢鳳介は先輩を追いプロへ

[ 2021年9月21日 16:45 ]

持丸監督の勧めでサイドスローに転向した深沢(右)=撮影・柳内 遼平
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 今年の甲子園大会に春夏連続で出場した専大松戸の深沢鳳介(おうすけ)投手(3年)がプロ志望届を提出したことが21日、分かった。

 今夏、専大松戸の甲子園初勝利に導いたサイド右腕の決断について、持丸修一監督は「あんなに成長してくれると思わなかった。変化球に良いものがある。(プロでは)体力をつけて(さらに)ボールに切れを出してほしい」と期待を込めた。

 指揮官の一言が人生を変えた。中学までスリークォーターの投球フォームだった深沢。中学の2学年先輩・横山陸人(現ロッテ)を追って専大松戸に進学すると、入部して早々に持丸監督から「横山に寄せてみろ」とサイドスロー転向を勧められた。

 転向当初は直球がシュート回転してしまったが、持丸監督には「深沢が一番力の入る腕の高さ」という見立てがあった。下半身主導のフォームに修正したことでシュート回転を克服した。直球とスライダー中心の投球スタイル。2年冬にはツーシームを習得して幅を広げた。

 3年春に甲子園初出場を果たし、1回戦で中京大中京に敗れたものの、2失点完投。最速143キロを計測してスカウトの注目度は高まった。

 センバツ後、山梨で行われた春季関東大会では新たな課題を「平均球速のアップ」と明かした。目標達成のために自宅では母・由紀さんに「力うどん」など炭水化物を多く含んだメニューをリクエスト。自室ではお年玉などの貯金で買った機器でベンチプレスに励み、出力アップに取り組んだ。

 夏に見せた姿は別人のように力強かった。千葉大会5回戦で東海大市原望洋を完封した際は140キロ台を30回以上も計測。視察したロッテ・榎康弘アマチーフスカウトは「(元巨人)斎藤雅樹さんのようになれる可能性がある」と成長ぶりにうなった。

 2年秋の関東大会で高崎健康福祉大高崎にメッタ打ちされても、今年のセンバツで敗れて涙を流しても、常に上を向き成長につなげた。「深いところからでも羽ばたけるように」と授かった名のごとく、である。(柳内 遼平) 

 ◇深沢 鳳介(ふかざわ・おうすけ)2003年(平15)11月5日生まれ、東京都江戸川区出身の17歳。第四葛西小1年から「雷サンダース」で野球を始め、上一色中では軟式野球部に所属。名前の字は父・竜之さんが「深い所からでも羽ばたけるように」と選び、読みは母・由紀さんが好きだったテレビドラマ「やまとなでしこ」で堤真一が演じた中原欧介に由来する。1メートル77、75キロ。右投げ右打ち。

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