先制V弾の村上 ヤクルト・高津監督が大きく育てた

[ 2021年8月8日 11:19 ]

東京五輪第16日 野球決勝   日本2―0米国 ( 2021年8月7日    横浜 )

<日本・米国>3回、先制ソロを放つ村上(ロイター)

 野球の東京五輪日本代表が、悲願の金メダルを獲得した。先制V弾を放ったのはチーム最年少、21歳の村上(ヤクルト)だった。全5試合に「8番・三塁」で先発出場するなど、侍には欠かせないピースとなっていった。

 ヤクルト・高津監督が村上を大きく育成した。「小さくなるな」「思い切って振れ」「結果は気にしなくていい」。プロ1年目の18年。当時の高津2軍監督は、試合後の村上に、来る日も来る日も同じ言葉をかけていた。

 ドラフト1位の村上は、プロ入りと同時に九州学院時代の捕手から内野手にコンバートされた。球団はドラフト指名時から「将来の日本の4番を背負う逸材になる」と評価。高校通算52本塁打の打力を生かすため、チームとしての決断だった。

 当時の守備を、高津監督は苦笑いとともに思い返す。「正直言ってひどかった。普通のフライも捕れないんだから」。記録には残らないミスや失点につながる失策も多かった。責任感の強い村上の性格を考え、指揮官は失敗を犯した毎試合後に話し合いを持った。

 守備は話題に上げない。冒頭の打撃の助言だけを送り続けた。「打ってなんぼの選手。守備を気にして長所に影響が出るのは良くないから」と指揮官は貫き通した。1年目に98試合に出場した村上は、イースタン・リーグ2位タイの17本塁打を記録した。翌年からは1軍のレギュラーに定着。そして、今がある。(遊軍・川手 達矢)

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2021年8月8日のニュース