鬼の居ぬ間にガンケルだ 阪神の助っ人右腕が開幕3連勝 不在のアルカンタラ、チェンとの競争もリード

[ 2021年4月12日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3ー2DeNA ( 2021年4月11日    横浜 )

<D・神>3勝目を挙げた阪神・ガンケル(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 阪神・ガンケルは勝利とともにベンチ前で仲間を出迎えた。無傷の3連勝。マスク姿でも目元に喜びが浮かんだ。

 「いい野球ができている。梅野とは組み立てでいつも意見が一致しているし、助けられている。他の先発の仲間もみんな頑張っているからね」

 序盤からアウトを重ね、流れをつくった。4回に新人・牧に右翼ポール弾を許したが、崩れない。勝利投手の権利を目前にした5回2死二塁では桑原を内角攻めで追い込み、3球勝負の144キロで見逃し三振。ポイントでギアを上げた。打席でも「川相さんのアドバイスを思い出した」とキャンプでの指導通りに2度の送りバントを決めて、貢献した。

 クオリティースタート(6回以上、自責3以内)を3試合連続でクリアし、3勝は勝ち頭でリーグ最多タイ。防御率0・96も4位にランクインし、開幕から15試合すべてで先発投手が5回以上をクリアする盤石の先発陣でも出色の働きだ。

 米国の高校教員免許を持ち、時間があれば映像をチェックしている。「日本に来て、学んだことがあるんだ」と打ち明けたことがあった。

 「日本の投手はタイミングをうまく外せる。球を長く持ったり、ペースを変えたりね。彼らのいいところは取り入れているんだ」

 自分のスタイルにこだわらず、積極的に吸収する姿勢が来日2年目の進化につながった。矢野監督も「リズムよくボールを丁寧に動かしながら投げてくれた。すごく真面目で研究熱心なタイプなので、今年はそれを生かしている」と認めた。

 メジャー実績はゼロ。7年間でマイナー15球団を渡り歩いた苦労人だけにジャパニーズ・ドリームへの思いは強い。外国人枠を巡り左腕チェン、そして、韓国20勝のアルカンタラが隔離期間明けの合流を狙っているが、その座を譲らない。(鈴木 光)

続きを表示

2021年4月12日のニュース