桑田真澄氏 上原浩治氏相手に熱く指導論語る「傾斜を制すれば勝てる投手になれる」

[ 2021年1月24日 23:14 ]

桑田真澄氏
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 巨人在籍時の2019年5月にシーズン途中で現役を引退した元メジャーリーガーの上原浩治氏(45)が24日、NHK「サンデースポーツ」(後9・50)に出演、15年ぶりに巨人に復帰し1軍投手チーフコーチ補佐に就任した桑田真澄氏(52)と対談した。

 上原氏は「尊敬する先輩でもあり、ライバルでもあった」桑田氏と会うのは7年ぶり。志願しての対談実現となったが「緊張する」と、幾分硬い表情で臨んだ。

 まず、桑田氏が巨人に復帰したいきさつについて「唐突に決まったんですか?」と聞くと、桑田氏は話が来たのは「年明けてからですね」と明かした。引退したのは13年前の08年。桑田氏はアマチュアを指導することはあったものの、プロのユニホームを着ることはなかった。その理由を「引退してすぐは、ユニホームを着るべきじゃないと自分の中で思っていたんですね。野球以外の世界も勉強することが大事、色んな事を勉強して、そして将来また野球界に貢献したい」と言う桑田氏だが、今回は「最初えっ、と思ったんですけど、原監督からやりがいのあるお話をたくさんいただいたんで…。今年、仕事がある程度決まっていたのでどうかな、と思ったんですけど、挑戦してみたいなと思って引き受けることにした」と語った。

 巨人はここ8年間日本一から遠ざかっており、特にこの2年は日本シリーズでソフトバンクに4連敗を喫している。上原氏は「ソフトバンクに追いつけ追い越せというのが、セ・リーグの今の6球団の意見だと思うんですが、どうすればパ・リーグに追いつけると考えていますか」と聞いたが、桑田氏は「僕はソフトバンクに追いつき追い越せという考えは一切持っていないですね。ジャイアンツらしさで、強いジャイアンツを作っていくという気持ちしかない」ときっぱりと答えた。

 さらに投手陣の育成について「僕自身は投げないと、投げるスタミナはつかないと思うんですね。これは平地で投げていてはダメなんですよ。ピッチャーというのはマウンドという傾斜でプレーする訳ですから。当然、ブルペンに入る回数、投げる球数は増えていきますよ。それはやってもらいたいと思う」とし「傾斜を制すれば勝てる投手になれると思っている」と持論を披露した。

 また、桑田氏はスタミナ不足についても「ランニングはこれじゃ足りないよな、と思いました」と語ったが、上原氏はこれまで報じられてきた発言で「投げ込み、走り込みは必要ないということを言われていた」と指摘すると「これは誤解があって、僕はあまり練習をやりすぎちゃいけない、というのは学童野球、学生野球の年代。成長期に無理なトレーニングをすると故障につながるので、制限するべきだという話をしているのであって、プロ野球選手は練習やらなくちゃダメです」と言い切った。

 さらに「今の選手はすごく体格が良くてポテンシャルはすごくあるんですけど、なかなか結果につながっていない選手がいる。彼らはできないのではなくて、まだやり方を知らないんです。やり方を知れば、彼らは必ずできます。どうやったらできるかを僕が伝えていけたら、彼らはできると思うので。僕はそう信じている」と語った。また、上原氏がメジャーで感じた、選手からコーチに話しかけられる雰囲気の大切さを語ると、桑田氏も「日本の野球界の歴史を紐解いてくると、絶対服従、一方向からの指導になっている。これからの時代は双方向じゃないとダメだと思うので、お互いに一緒になって考えて悩み苦しんで喜ぶ伴走者でありたい」とした。続けて「スポーツのだいご味というのは、柔よく剛を制す」と語り、巨人というチームを「水のような、つかみどころがないけど、試合が終わったら負けてる、すごいなジャイアンツっていうような。日本一という大きな目標に向かって頑張っていきたいと思います」と誓っていた。

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