阪神・藤川 能見と特別なリレー 元同僚・大和に初被弾も全球直球勝負「実現できてうれしかった」

[ 2020年11月1日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神13-5DeNA ( 2020年10月31日    横浜 )

<D・神>9回、最後を締めた藤川(左から3人目)は笑顔でナインとエアタッチをかわす(撮影・大森 寛明)
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 1学年上の能見の元へ――。同じく今季限りでタテジマを脱ぐ先輩左腕と笑みを交わし、阪神・藤川がマウンドに立った。31日のDeNA戦で9回2死二塁、13―5で大勢は決まっていたが、両ベテランには特別なリレーとなった。

 「関東での試合はこれが最後になりますけど、まだ実感は湧いていない。ファンの方々に、自分が投げる姿を見て何かを感じてもらえていたらうれしいですね」

 2年目の00年3月31日、横浜スタジアムでプロ初登板を果たした。初めて三振を奪った。初被弾もされた。通算54試合で4勝3敗、14セーブ、10ホールドをあげた――。1日に1試合残っているが、最後のつもりで腕を振った。

 サプライズだった。ラミレス監督は代打・大和をコール。かつて7シーズン、同じユニホームを着て闘った。「一緒にやっていた大和が出てきてくれて。FAで横浜に行くときに『ストレートでどんどん勝負しような』と話をしていた。最後にそれが実現できてうれしかった」。約束通りの全球直球勝負で4球目の147キロを左翼席へ運ばれた。それまで10打数1安打に抑えていた後輩に初被弾。それでも、どこかうれしそうだった。続く中井にも全球直球で3球三振。敵も味方も無く大歓声を浴びた。矢野監督は「(藤川の登板は)点差があったのもなくはないけど。それ(ファンの期待)に応えられたというか、打線がそうしてくれた」と横浜での“花道”を演出した打線を称えた。

 10日の引退試合まで、たったの6試合。後輩たちも、そして阪神ファンも、球児の生き様を必死に目に焼き付けるしかない。(田中 想乃)

 ▼DeNA・大和(9回に阪神時代に同僚だった藤川から2ラン)打席に入る時に感慨深いものがありました。まさか、本塁打を打てるとは思ってもいなかったです。

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