コロナ禍での異例シーズン 例年とは違う「守護神の受難」と「満塁本塁打の増加」

[ 2020年8月5日 09:00 ]

<D・広>救援失敗しベンチへ戻るDeNA山崎(撮影・島崎忠彦)
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 プロ野球の開幕から約1カ月半。コロナ禍の中でのシーズンで、数字の面など例年と大きな違いが出ている部分がある。「守護神の受難」もその一つかも知れない。

 12球団の開幕時のストッパーが、成績不振などで軒並み苦難のシーズンとなっている。

 特にセ・リーグ。巨人・デラロサはシーズン序盤は活躍していたものの、7月6日に左脇腹の肉離れで出場選手登録を抹消された。DeAN・山崎は防御率7・07と不振。現在は中継ぎに配置転換されている。

 阪神・藤川も防御率7・88。右肩のコンディション不良で一時は2軍で調整もした。広島は新外国人スコットを守護神に抜擢したが、防御率は22・50。現在は2軍調整中だ。中日・岡田も不安定な投球が続いて現在は中継ぎに回っている。

 西武・増田、ロッテ・益田、ソフトバンク・森ら安定した成績を残している抑え投手もいるが、やはり苦しんでいる投手が多い印象だ。

 先日、あるプロ野球OB(現役時代は投手)とこの話題になった。そのOBいわく、(1)コロナ禍の影響で、開幕前の実戦登板が少なく、調整に遅れが出た(2)開幕が6月。いきなり暑く、湿気の多い時期で、コンディション調整が難しい――のが影響として考えられると話していた。

 もう一つの異変は満塁本塁打の多さだ。4日時点でセ・リーグ13本、パ・リーグ9本の計22本。12球団の全本塁打が443本なので、20本に1本がグランドスラムとなっている計算だ。昨季は全1688本塁打のうち、満塁本塁打は47本。35本の1本だっただけに、今季の「満塁本塁打率」の数値が高いのが分かる。

 本塁打自体も例年より増えており、コロナ禍による実戦不足などで投手の調整が遅れていることなどが指摘されている。7月5日のヤクルト戦で、12球団で今季10本目の満塁本塁打を放ったDeNA・ソトは「確かにホームランが多いね。暖かい時季にシーズンが始まって、(野手の)各選手いい準備ができているのでは?」と話していた。

 守護神の受難と満塁本塁打の増加。120試合制の異例のシーズンで、これからも「えっ」と思うようなデータや出来事が起こるかもしれない。(記者コラム・鈴木 勝巳)

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2020年8月5日のニュース