阪神・ボーア “呪い”解く豪快満塁弾!来日初の決勝打で初連勝&初勝ち越し呼んだ!

[ 2020年7月6日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神8―3広島 ( 2020年7月5日    マツダ )

<広・神>3回2死満塁、ボーアは右越えに満塁本塁打を放ち、“ファイアボール”ポーズをみせる(撮影・坂田 高浩)
Photo By スポニチ

 阪神のジャスティン・ボーア内野手(32)が5日の広島戦で初の決勝打を初の満塁弾で飾り、初の連勝を呼んだ。同点に追いついた3回、なお2死満塁から右越え2号。チームとして開幕から満塁機で無安打が続いていた“呪い”も解く価値ある一発で、今季5カード目にして初の勝ち越しも決めた。

 この瞬間のために日本にやったきた。この瞬間を信じて、耐えてきた。開幕後の苦闘は過去の話だ。ため込んだものを解き放った一発は豪快で、美しい。ボーアがホームランの魅力、チームにもたらす力を示した。

 「その前にみんなが一生懸命つないで塁を埋めてくれて。(大山)悠輔もああいう形で回してくれて。いい流れを止めたくなかった」

 3回、同点後の2死満塁を託された。簡単に2球で追い込まれても“牙”は折れない。3球目の甘く入ったチェンジアップを振り抜いた打球は、ベンチの驚嘆の声とともに右翼席へ一直線。「追い込まれてより一層、集中した」。右翼・鈴木誠も振り向いて着弾点を確かめるだけ。2号グランドスラムで勝ち越し、ベンチ前では“ファイアボール”を決めた。

 豪快に“呪い”を解いた。チームとして満塁機では開幕から9打席目での初安打。ボーア自身も過去3打数無安打1三振と“金縛り”にあっていた。絶好機でたまり続けたフラストレーションを解消し、「いつだってランナーを還すことができた時は気持ちがいい」とメジャー通算92発のプライドをにじませた。

 フルスイングの源は家族にある。遠征先から帰阪する日は球団スタッフに「今日の新幹線の終電は何時かな? 何時に家族と会えるかな?」と何度も確認。神戸の自宅で帰りを待つ妻、息子と過ごす時間を大切にしてきた。いまも開幕から約2週間の長期遠征中、「早く会いたいけど、こういう時はテレビ電話をしている。子供が起きていたらできるだけ話をするようにしている」とリモートで家族愛を深める毎日だ。

 2日夜にはインスタグラムに誕生日を迎えた兄・ジェイソンさんとのタキシード姿でのツーショットをアップし「兄よ、素晴らしい日々を願っている」と祝福。愛する人たちにもささげた大きなプレゼントだった。

 大山、サンズとの計3発で快勝し、矢野監督を「ホームランは今日の展開でもそうやけど、やっぱり大きい。しかも満塁ホームランで」と喜ばせた。「ホームでの長い試合が続く前に連勝できたのは大きい。まだまだ長いシーズンなのでこの勢いを続けていきたい」。やはり、ボーアのホームランには、計り知れない力がある。(遠藤 礼)

 ≪阪神新外国人選手の満塁弾はロサリオ以来≫ボーア(神)が同点の3回、遠藤(広)から来日2号の満塁本塁打で初の勝利打点。阪神新外国人選手の満塁弾は18年にロサリオが打って以来2年ぶり11人目。シーズン2本目で出たのは、75年ロッテから移籍したアルトマンの1本目に次ぐ早さで、来日1年目では60年ソロムコに並ぶ球団最速。ちなみにバースの初満塁弾は2年目の84年5月31日の中日戦で、通算45本目だった。ボーアの本塁打は今季チーム9度目の満塁機で初の安打。自身は過去3度で凡退していた。

続きを表示

2020年7月6日のニュース