ヤクルト 開幕前哨戦15点竜倒!高津モデル最下位脱出戦略 4番・村上弾&2番・山田哲2安打

[ 2020年6月3日 05:30 ]

練習試合   ヤクルト15―3中日 ( 2020年6月2日    神宮 )

<ヤ・中>5回1死、左中間にソロ本塁打を放つ村上(撮影・吉田 剛)
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 プロ野球は2日、首都圏と関西で練習試合を無観客で再開し、19日のセ、パ両リーグ開幕に向けた調整が本格スタートした。ヤクルトは開幕の相手となる中日戦で18安打15得点の大勝。4番の村上宗隆内野手(20)が5回に今季実戦初本塁打となる左中間ソロを放つなど3安打3打点、2番の山田哲人内野手(27)が2安打1打点と、高津臣吾監督(51)が掲げる攻撃的オーダーが機能した。

 ガコン!!左中間の座席に直撃した音が球場内に響いた。5回1死。村上は鈴木博のカウント1―1からの3球目、外角低めの150キロ直球を逆らわず振り抜いた。決して甘い球ではなかったが、一直線に無人のスタンドを襲った。

 「自分らしく逆方向の本塁打だったので、次につながる一発になりました」

 ブレークした昨季の36本塁打中、13本塁打を放った左方向への一発。2月の沖縄・浦添キャンプ中に下半身のコンディション不良を訴え出遅れたこともあり、これが2020年、20歳での初アーチだった。「3割、30本、100打点」を目標に掲げる3年目。新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れ、実戦勘が失われるどころか、今季への確かな手応えを12球団の練習試合再開初戦で得た。

 4回1死満塁では右翼線へ2点二塁打を打ち、14人で10得点の猛攻を演出。「(3―0で)打者有利のカウントだったので積極的に打つことができた」。初回の右前打を含め3安打3打点。4番としての存在感を示した。

 高津監督が「4番・村上」とともに、新打線のキーに掲げる「2番・山田哲」も機能した。4回1死二、三塁から橋本のスライダーを中前適時打とするなど2安打1打点。「2本打てましたけど、たまたまなのかなという感じ。もう少し試合勘を取り戻したい」と控えめだが、高津監督はビッグイニングをつくるために「2番」を重視している。山田哲も「攻撃的2番」としての覚悟はできている。シーズン120試合制となる中でも、目標のトリプルスリーについて「(試合数減で)厳しくなるのは当たり前。その中で歴史に名を刻めるような記録を」と語った。

 開幕の相手となる中日に18安打15得点の快勝劇。亜大の3学年先輩にあたる与田監督との対戦でもあったが、高津監督は「グラウンドに立てば関係ない。(昨季)5位の中日を叩いて上位にいかないといけない」と表情を引き締めた。昨季最下位からの頂点へは、開幕から15試合続く本拠地での戦いがカギとなる。その神宮球場で最高のリスタートを切った。(黒野 有仁)

 ≪昨季2番・山田哲は0試合、4番・村上は25試合≫山田哲(ヤ)のスタメン2番は12年3試合、13年2試合、18年4試合の合計9試合。昨年は1試合もなく今季開幕戦で起用されれば18年10月9日DeNA戦以来となる。村上(ヤ)のスタメン4番は昨年25試合あり打率.223、2本塁打、16打点。最後の4番は7月24日の巨人戦で、その後は主に6番で起用された。

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