お待たせ!阪神・ボーア 45打席目で初の対外試合弾 サイレント・トリートメントで祝福され笑顔

[ 2020年6月3日 05:30 ]

練習試合   阪神3-2広島 ( 2020年6月2日    甲子園 )

4回無死一塁、本塁打を放つボーア (撮影・平嶋 理子)                                                            
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 プロ野球は2日、首都圏と関西で練習試合を無観客で再開し、19日のセ、パ両リーグの開幕に向けた調整が本格的にスタートした。阪神はジャスティン・ボーア内野手(32)が広島戦(甲子園)で待望の対外試合初本塁打。18試合、45打席目の一発で仕切り直しの練習試合初戦を勝利に導いた。

 バットの芯は外れてやや根っこ寄りだったものの、甲子園の右翼席まで運ぶのだから大したもんだ。ボーアのパワーがさく裂した一撃は、本来ならば虎党が待っているはずの無人の右翼席で弾んだ。

 「ちょっと詰まったんですけど、でもホームランにするには十分な力でスイングできた。まだシーズンに入っていないですけど、それでも日本で初めて、甲子園でも初めてホームランを打てたので、すごく良かったです」

 0―0の4回無死一塁でカウント1―2から藤井皓の内角高め直球を振り抜いた。紅白戦を含む実戦では18試合、45打席目で待望の初本塁打。大歓声こそなかったものの、胸を張ってダイヤモンドを一周した。ベンチに戻ると、ここでもあるはずのナイン総出のお出迎えがない…。沈黙ののち、サイレント・トリートメントで祝福を受け、笑顔になった。

 「サイレント・トリートメントはすごいうれしかったですけど、もうちょっと(祝福を)待ってくれて、もっと(間が)長くしてくれても良かったなと。でも初めてで、みなさん楽しんでたので良かったなと思います」

 オープン戦と3月の練習試合では本塁打どころか長打も影を潜めて苦しんでいただけに、仕切り直しの一戦で放った一発は光をもたらした。矢野監督からも「詰まりながらでもいったのは、手応えがあると思う。いい1本になるのでは」と、今後のさらなる上昇を期待された。

 6月19日の開幕まで時間がないからこそ、確認したいことがたくさんあった。3打席で退く予定だったが、その3打席目が力のない二ゴロ。内容に納得がいかなかった上に、陽が落ちてくるにつれて変化する甲子園のグラウンドの影を「自分で見ておきたかった」と出場継続を志願した。7回の4打席めは空振り三振だったが、一塁の守備にも就きつづけ明確な目的意識が垣間見えた。

 「今日はファンがいなかったですけど、自分の中で、4万人ぐらいに囲まれているイメージをしながら(ダイヤモンド一周も)走っていた。またファンがいる時に打てたらいいなと思う」

 無観客で球場は冷めていても、気持ちは常に熱い。この一発が本塁打量産への号砲になることを信じたい。(長谷川 凡記)

 ▼阪神・糸井(5回無死一、二塁から中前適時打)久しぶりに試合の感覚を味わえてよかった。(ガッツポーズは)期間が空きすぎて忘れてました。ちょっとワンテンポ遅かった。

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