朗希“侍タッグ”奥川と世界一誓った!U18W杯以来の再会で思いは同じ

[ 2020年1月11日 05:30 ]

新人選手研修会で笑顔を見せる佐々木朗(中央)(撮影・白鳥 佳樹)
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 プロの世界でも世代最強タッグを――。「NPB新人選手研修会」が10日、都内のホテルで行われ、ともにドラフト1位で入団したロッテ・佐々木朗希投手(18=大船渡)とヤクルト・奥川恭伸投手(18=星稜)も受講。高校日本代表の一員として出場した昨年9月のU18W杯以来、122日ぶりの再会を果たした。講義では侍ジャパン・建山義紀投手コーチ(44)の言葉に目を輝かせ、ともに将来の侍ジャパン入りを誓った。

 「薬物乱用防止」の講義が終わって10分間の休憩に入ると、佐々木朗は席を立った。奥川の肩をポンと叩くと、その表情は自然と緩んだ。ユニホームではなく、お互いに学生服姿。U18W杯を戦い、韓国から帰国した昨年9月10日以来となる久々の再会となった。

 ▼佐々木朗(ヤクルトが)新人合同自主トレを先に行っているので雰囲気だったり、どんな練習をするのかを聞きました。

 ▽奥川(以前より)大きいなと思いました。(会話の内容は)練習とかどう?って話をしました。

 高校日本代表メンバーとも近況報告。同じドラフト1位でプロ入りしたDeNA・森(桐蔭学園)、阪神・西純(創志学園)、中日・石川昂(東邦)――。「髪がみんな伸びていた。みんな似合っていました」。故郷の岩手・大船渡を離れ、入寮したばかりの佐々木朗にとってともに日の丸を背負った仲間との対面はリラックスできると同時に新たな刺激も受ける時間となった。

 最速163キロを誇る「令和の怪物」と、昨夏甲子園の智弁和歌山戦で延長14回23奪三振の「世代最強右腕」。くしくも、昨秋ドラフトを沸かせた2人の思いがシンクロした。新人研修前の午前中、12球団ルーキーは野球殿堂博物館を見学。佐々木朗は06、09年に侍ジャパンが連覇したWBCの優勝トロフィーを食い入るように見つめた。「そういうのを見て、いつか自分もその一員として世界の舞台で戦いたい」。夢は目標へと変わった。

 新人研修では講師役を務めた侍ジャパン・建山投手コーチが「今年は東京五輪がある。皆さんにも出る権利がある」と若者たちにエールを送った。「彗星(すいせい)のごとく現れる投手を待ち望んでいる」とも言った。

 約7カ月後に迫った東京五輪。奥川は「今の段階ではそこまでのレベルではない。ただ、ここにいる全員にチャンスがある。いつかは代表のユニホームを着たい」と力を込め、きょう11日から新人合同自主トレが始まる佐々木朗も「野球人生の大きな目標に向かっていく過程で出られたらいいかな」と目を輝かせた。限りなく高いハードルだが、無限の可能性を秘めたスーパールーキーならば、軽やかに飛び越えてくれるとさえ思ってしまう。(横市 勇)

 【朗希に聞く】

 ――プロ野球の先輩・建山コーチの講義はどう感じたか。

 「これから全てのことを野球につなげていかないといけない。目標から逆算した練習だったり、生活をしていかないといけないかなと思いました」

 ――プロ野球選手となり、自身の影響力はどう感じる?

 「自分たちの行動やプレーで野球の印象も変わる。まずは1軍で活躍することが第一。そこからできることを探していきたい」

 ――野球博物館にはいろんな人が称えられていた。

 「目の前のことを一つずつやって、そういう人たちと同じように展示されるように頑張っていきたい」

 【奥川に聞く】

 ――研修を終えて。

 「(薬物、反社会的勢力など)身近にたくさん危険が潜んでいると研修で学べた。そういうものに足を引っ張られないように自分自身でも気を付けないと、と感じた」

 ――建山コーチの講義で印象に残ったのは?

 「野球に全て注ぐというところ。まだまだ自分は足りていない。これから野球に全てを注げるように頑張っていきたい」

 ――社会人として自覚が芽生えた。

 「今までは高校生という立場でいろんな方に守っていただいた。社会人としてしっかり自立して、自分で自分を守れるようやっていかないといけない」

 ▽昨夏のU18W杯日本代表 佐々木朗は大会直前の大学代表との壮行試合で右手中指に血マメをつくった影響で1次ラウンドは登板なし。スーパーラウンドの韓国戦で初登板も再び血マメが悪化し、先発で1回を無失点、わずか19球で降板した。奥川も準優勝した甲子園での疲労蓄積から初登板はスーパーラウンドのカナダ戦。それでも先発で7回1失点、毎回の18三振を奪い、先発投手部門のベストナインに輝いた。日本は5位で終わった。

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