稲葉監督、ノムさん流ID野球継承 五輪金へ情報戦 ジョーンズら新助っ人データで丸裸

[ 2019年12月13日 05:30 ]

子どもたちとキャッチボールイベントで交流した侍ジャパン・稲葉監督(前列中央)      
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 侍ジャパンの稲葉篤紀監督(47)が20年東京五輪金メダルへ向けた情報戦に着手する。12日、福岡市内の野球用品店でファンイベントに参加し、オリックス新入団のアダム・ジョーンズ外野手(34)ら、五輪出場の可能性のある新外国人勢へ警戒を強めた。一方、自チームには師匠の一人である野村克也氏(84)譲りのメディア戦略を駆使し金メダルロードへ生かす考えだ。

 例年になく豪華な助っ人が次々と来日する。メジャー通算1939安打、282本塁打でオリックス入団が発表されたジョーンズ、同92本塁打で阪神加入のボーアら。稲葉監督は「他の11球団がどう抑えていくか。投手ならどう打っていくか。そこを参考にしていく」とペナントレースの密着データを分析し、生かす方針を示した。

 メジャー40人枠の選手は五輪に出られないが、その枠外となる日本移籍により、早くも米メディアではジョーンズの五輪出場の可能性が報じられた。ジョーンズは17年WBC準決勝で日本が米国に1―2で敗れた一戦でも「2番・中堅」で出場し1安打1打点。「もちろんいい打者。日本の環境でどんな打撃をするのか、しっかりと見ていきたい」。侍メンバー選出と並行し、国内視察の視線を新助っ人勢に注いでいく。

 同時に自チームの情報も武器の一つに変えていく。今秋のプレミア12では代走・周東が僅差の終盤で生きた。「実は周東の名前はメディアを通じ積極的に出していった」と明かす。ジョーカーの名前がとどろき警戒した相手は「投手がクイック(モーション)をする。慣れていないのでストライクが入らず、球に力がなくなる。これはよく野村監督が使った手です」と師匠譲りの戦術の一端を語った。

 「うまく発信しながら、抑えるところは抑えて。これも作戦の一つ。意識してくれるだけでいいと思っている」。福岡のファンの前でも改めて誓った東京五輪金メダルへ。「情報戦になってくる」とあらゆる手を尽くす。 (後藤 茂樹)

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2019年12月13日のニュース