工藤監督 王さんに並んだ最多4度目正力賞!選手で1回、監督としては初の3度目

[ 2019年11月14日 05:30 ]

正力松太郎賞を受賞し、記者会見するソフトバンクの工藤監督
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 今年のプロ野球の発展に最も貢献した監督や選手に贈られる「正力松太郎賞」の選考委員会が13日、東京都内で行われ、ソフトバンクを3年連続の日本一に導いた工藤公康監督(56)が受賞した。選手時代の87年、監督就任後の15、18年に続く4度目で、王貞治球団会長(79)に並ぶ史上最多となった。

 少し日焼けした工藤監督は、黒のスーツに赤いネクタイを合わせて会見場に現れた。2年連続の受賞は、監督では史上初の快挙だ。
 「みんなの力があってこその受賞。みんなが勝つために、日本一になるために頑張ってくれたおかげ。何よりそれを支えてくれるスタッフがいてこその受賞」。キャンプ休日のこの日は約30人のスタッフをねぎらい、昼間はゴルフ、夜は食事会を催した。会見でも、周囲への感謝の思いを繰り返した。

 選手時代も合わせて4度目の受賞。王球団会長の最多回数に並んだ。「まだまだ追いつけない方に並ぶくらいの名誉な賞を頂いて、身の引き締まる思い」。今季は2年連続リーグ2位に終わったものの、下克上で3年連続日本一を達成。CSファーストS第2戦から10連勝で頂点に駆け上がった。

 今季は柳田や中村晃らケガ人が続出し、若手を積極的に起用。育成に加え、データを分析、活用しながらの采配が高く評価された。代打・長谷川勇、代走・周東といった用兵が何度となく的中。これまでよりもスコアラーとのミーティングを増やしたことを明かし「コーチが理解して選手に伝えて、選手も理解して準備を怠らなかった」と称えた。

 来季から選考対象に組織も加わる。「素晴らしいこと。個人ではなくてチーム、球団が新しいことを取り入れて、創意工夫があっての組織、というのは野球界に大事」。球団としての受賞、という新たな目標も出てきた。

 そのためにも、こだわるのは3年ぶりのリーグ制覇。「我々は常にリーグ優勝を目指して、日本一を目指していくチーム。来年は必ずリーグ優勝できるように、選手と一緒に頑張っていきたい」。指揮官の言葉に、より一層の力がこもった。(後藤 実穂)

 ≪2年連続はイチロー以来、監督では初≫ソフトバンクの工藤監督が2年連続4度目(選手1、監督3)の正力賞受賞。同賞を4度は王貞治(巨、ダ、ソ)と並び2人目の最多回数。監督で3度も王、原辰徳(巨)と並ぶ最多受賞になる。また、2年連続受賞は94、95年イチロー(オ)以来、24年ぶり2人目、監督では初めてだ。

 ▼王貞治選考委員 工藤監督の決断力は、今年だけでなく前から勝敗を分けている。(受賞は)当然といえば当然。これが5回になり、6回になっても不思議ではないし、現役である以上はありうる。(最多受賞に)挑戦してくれ、というのもあれだけど話題になるのはいいことだと思う。

 ▽正力松太郎賞 日本のプロ野球の発展に大きな功績を残した故正力松太郎氏を記念し、1977年(昭52)に制定された。プロ野球界に貢献した監督、コーチ、選手、審判員を対象に選考委員会が選出する。賞金500万円。受賞者は日本一に輝いた監督が多く、第1回の受賞者は77年に世界記録の756号本塁打を放った王貞治。

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